泥とレンガが語るイスラムの歴史:イエメン「ザビードの歴史地区」

ザビードの歴史地区
イエメン共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1993年/2008年危機遺産登録
登録基準(ⅱ)(ⅳ)(ⅵ)
その他の区分危機遺産
公式テキストページ中巻78p
英文タイトルHistoric Town of Zabid

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

イエメンのティハーマ平野に広がるザビードの歴史地区は、古代から現代に至るまで、イスラム世界にとって極めて重要な役割を果たしてきました。ユネスコ世界遺産にも登録されているこの街は、そのユニークな建築様式と、13世紀から15世紀にかけてイスラム世界の学術の中心地として栄えた歴史を今に伝えています。

目次

信仰と学術が育んだ砂漠の都

ザビードは、820年にイスラム世界の預言者ムハンマドの子孫であるズィヤード家によって建設されました。その後、街はイスラム教の教育の中心地として発展を遂げ、「アラビアのオックスフォード」とも称されるほどの地位を確立しました。最盛期には、86ものモスクと、多くのマドラサ(神学校)が街にひしめき合い、世界中から多くの学者が集まりました。

ザビードの建築様式は、この地域の粘土と日干しレンガを使った、独自のティハーマ様式で、その素朴ながらも重厚な造りは、街全体に統一感と独特の雰囲気をもたらしています。しかし、近年、街の多くの歴史的建造物が破壊され、その歴史的価値が失われつつあります。

見どころハイライト:歴史の迷路を歩く

ザビードの歴史地区は、そのほとんどが日干しレンガで造られた家々やモスクで構成されており、まるで時間が止まったかのような雰囲気を楽しめます。

ザビード大モスク

街の中心にある、最も重要なモスクです。その起源は、820年にまで遡るとされ、イスラム世界最古のモスクの一つです。何度か改築されましたが、その簡素ながらも美しい建築様式は、イスラム建築の初期の姿を今に伝えています。

アシャアール・モスク

ザビードの歴史と信仰を象徴する、重要なモスクです。イスラム教の歴史の中でも重要な役割を果たしたとされています。

旧市街の街並み

ザビードの魅力は、その迷路のように入り組んだ路地と、そこにひしめき合う日干しレンガ造りの家々です。それぞれの家は、美しい装飾が施された窓や扉を持ち、この地の建築家たちの優れた技術を物語っています。

ザビードの歴史地区観光のヒント

イエメンのザビードは、現在のイエメン情勢を考慮すると、訪れることが極めて困難な地域です。そのため、一般的な観光は難しい状況にあります。しかし、もし将来的に情勢が安定し、訪問が可能になった場合には、以下の点に留意すると良いでしょう。

アクセス: イエメンの南西部に位置し、最寄りの都市はホデイダです。

ベストシーズン: 10月から4月にかけての比較的涼しい時期が観光に適しています。夏は非常に暑くなります。

服装: イスラム教の国ですので、肌の露出の少ない服装を心がけましょう。

ザビードの歴史地区は、泥とレンガが語る、イスラム世界の歴史と信仰の深さを感じられる特別な場所です。この美しい街並みが、いつか再び多くの人々を迎え入れ、その歴史を語りかける日が来ることを願っています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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