狂気の王が築いた天空の宮殿:スリランカ「シーギリヤの古代都市」

シーギリヤ
スリランカ民主社会主義共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1982年
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻50p
英文タイトルAncient City of Sigiriya

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

スリランカ中央部のジャングルに、突如として現れる巨大な岩山。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されている「シーギリヤの古代都市」です。「天空の宮殿」とも呼ばれるこの岩山は、ただの自然の造形物ではありません。5世紀後半、父を殺して王位を奪ったカッサパ1世が、異母弟からの復讐を恐れ、この岩山の頂上に築き上げた要塞都市の跡なのです。

目次

野望と孤独に満ちた歴史

シンハラ王朝の王位継承をめぐる争いから生まれたシーギリヤは、カッサパ王の野望と孤独を象徴する場所です。彼は、約180メートルの高さを持つ巨大な岩山「シーギリヤ・ロック」の頂上に、壮麗な宮殿と庭園を築き上げ、周囲には複雑な水利システムを備えた都市を建設しました。その建築技術と都市計画は、当時の高度な文明レベルを物語っています。

しかし、わずか11年後、異母弟の反攻に敗れたカッサパ王は自害し、シーギリヤは放棄されました。その後、14世紀頃まで仏教寺院として利用されましたが、やがてジャングルに埋もれ、19世紀になってイギリス人によって再発見されるまで、その存在は忘れ去られていたのです。

見どころハイライト:岩山に刻まれた歴史と美

シーギリヤの古代都市は、岩山の麓から頂上まで、見どころが満載です。登頂には約1200段の階段を上る必要がありますが、その苦労を忘れさせるほどの絶景と歴史のロマンが待っています。

水の庭園(Water Gardens)

岩山の麓に広がる、アジア最古の庭園の一つです。高度な治水技術を用いて造られた用水路や噴水の跡が残り、かつては王族たちがこの庭園で沐浴を楽しんだと言われています。

シーギリヤ・レディ(Sigiriya Ladies)

岩山の中腹にある回廊の壁画で、フレスコ画で描かれた美女たちの姿です。風化が進んでいますが、1500年もの時を経てもなお、その鮮やかな色彩と柔らかな曲線は見る者を魅了します。当初は500体ほどあったと言われていますが、現在は18体のみが残されています。写真撮影は禁止されていますので、目に焼き付けておきましょう。

獅子の門(Lion Gate)

岩山の頂上へと続く最後の階段の入り口です。かつては巨大なライオンの頭部と前足の彫刻があったと言われており、シーギリヤ(獅子の喉)の名前の由来にもなりました。現在は、レンガで造られた前足の台座だけが残っていますが、その大きさから、当時の壮麗さを想像することができます。

頂上の宮殿跡

獅子の門からさらに階段を上り詰めると、広大な宮殿跡が広がっています。王座があった場所、王妃たちの部屋、貯水槽などが残されており、ジャングルを一望できる360度の大パノラマは圧巻です。

シーギリヤ観光のヒント

アクセス: スリランカの首都コロンボから車で約4〜5時間、世界遺産ダンブッラからも近く、車で約30分の距離です。

ベストシーズン: 乾季の1月から2月が、気候が安定しておりおすすめです。登頂は暑くなる前の午前中が最適です。

服装: 階段が多く足場も良くない場所があるため、滑りにくいスニーカーなど歩きやすい靴を選びましょう。日差しが強いため、帽子、日焼け止め、水は必須です。

シーギリヤは、一人の王の運命によって生まれた、スリランカの歴史と文化、そして自然の壮大さを同時に感じられる特別な場所です。天空の宮殿に立ち、遠い昔の王の孤独と野望に思いを馳せてみませんか?

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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