壮麗な宮殿が語るシルク・ロードの歴史:アゼルバイジャン「ハーン宮殿のあるシェキの歴史地区」

ハーン宮殿のあるシェキの歴史地区
アゼルバイジャン共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2019年
登録基準(ⅱ)(ⅴ)
その他の区分
公式テキストページ中巻78p
英文タイトルHistoric Centre of Sheki with the Khan’s Palace

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

アゼルバイジャンのカフカス山脈の南麓に、まるで時間が止まったかのように、昔ながらの家々と石畳の道が残る美しい街があります。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されている「ハーン宮殿のあるシェキの歴史地区」です。古くからシルク・ロードの重要な中継地点として、絹製品や織物の生産で栄え、その繁栄を象徴する壮麗な宮殿が、この街の歴史を今に伝えています。

目次

絹の道が育んだ交易都市

シェキは、中世から18世紀にかけて、カスピ海を越えて東西を結ぶシルク・ロードの重要な拠点でした。特に、高品質な絹製品の生産で知られ、ヨーロッパや中東の市場で高く評価されました。この地の商人たちは、絹の交易で莫大な富を築き、その財力は、シェキ・ハーン国という独立した公国を築く原動力となりました。

シェキの歴史地区の建築は、この地の経済力と文化的な影響を反映しています。木造の家屋は、地元の石とレンガで造られた堅牢な城壁に囲まれ、その内部には、壮麗な宮殿や職人たちの工房がひしめき合っていました。

見どころハイライト:絹とガラスが織りなす芸術

シェキの歴史地区は、その美しさと、建築に込められた優れた技術で見る者を魅了します。

シェキ・ハーン宮殿(Palace of Shaki Khans)

シェキの象徴であり、この歴史地区の最大のハイライトです。18世紀に建設されたこの宮殿は、釘や接着剤を一切使わず、木片をはめ込んで造られた、7色のステンドグラス「シェベケ(Shebeke)」が特徴です。繊細な花や鳥の模様が描かれたシェベケは、光が差し込むと幻想的な輝きを放ち、内部を彩ります。宮殿の壁や天井は、美しいフレスコ画で飾られ、当時のハーンの優雅な生活を物語っています。

キャラバンサライ(Caravanserai)

シルク・ロードの時代、シェキを訪れた商人たちが宿泊した巨大な隊商宿です。現在も2つの大きなキャラバンサライが残っており、そのうちの1つはホテルとして利用されています。かつての旅人たちのように、この歴史的な空間で一晩を過ごすのも特別な体験となるでしょう。

シェキ・ハンドクラフト・センター(Shaki Handcraft Center)

シェキの職人たちが、伝統的な技術を今に伝える場所です。ここでは、シェベケの制作過程や、伝統的な絨毯、陶磁器の工房を見学することができます。

ギョレセン・パシャ・ジャーミイ(Gələsən-Görəsən Mosque)

シェキの歴史地区にある、美しい石造りのモスクです。そのシンプルな美しさは、街の素朴ながらも重厚な雰囲気に溶け込んでいます。

シェキ歴史地区観光のヒント

アクセス: アゼルバイジャンの首都バクーから、夜行バスや車でアクセスできます。所要時間は約5〜6時間です。

ベストシーズン: 春(4月〜6月)か秋(9月〜10月)が、気候が穏やかで観光に適しています。夏は日差しが強いので、帽子やサングラスを忘れずに。

街歩き: 歴史地区は歩いて巡るのが一番です。石畳の道が多いので、歩きやすい靴を選びましょう。

シェキの歴史地区は、単なる歴史的な場所ではありません。それは、シルク・ロードのロマンと、その地で生まれた人々の知恵と芸術が凝縮された、特別な場所です。美しい宮殿と、昔ながらの街並みを歩きながら、太古の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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