| 国 | インド |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1986年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅲ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻54p |
| 英文タイトル | Fatehpur Sikri |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
インド北部のウッタル・プラデーシュ州に、広大な赤砂岩の宮殿群が静かに佇んでいます。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されているファテープル・シークリーです。「勝利の都」を意味するこの都市は、わずか14年間だけムガル帝国の首都として栄華を極めた、歴史の謎に満ちた場所です。ヒンドゥー教とイスラム教の建築様式が融合したそのユニークな美しさは、当時の皇帝の理想と夢を今に伝えています。
皇帝アクバルが築いた「勝利の都」
ファテープル・シークリーは、ムガル帝国史上最も偉大な皇帝とされるアクバルによって、16世紀後半に建設されました。彼は、この地の聖者シャイフ・サリーム・チシュティーの予言通りに息子(後の皇帝ジャハーンギール)を授かったことに感謝し、帝国の首都をこの地に移すことを決意しました。
アクバルは、ヒンドゥー教徒の妻を娶るなど、宗教的寛容を掲げたことで知られています。ファテープル・シークリーの建築様式は、この寛容な思想を反映しており、イスラム建築とヒンドゥー建築、さらにはジャイナ教やペルシアの様式までもが融合した、他に類を見ないものです。しかし、都市は水不足の問題からわずか14年で放棄され、その壮大な夢は終わりを告げました。
見どころハイライト:赤砂岩が織りなす建築の宝石
ファテープル・シークリーの遺跡は、宮殿やモスク、庭園などが広範囲に点在しています。
ジャマー・マスジッド(Jama Masjid)
ファテープル・シークリーの中心となる壮大なモスクです。インドで最も大きく美しいモスクの一つとされ、その中庭には、聖者シャイフ・サリーム・チシュティーの白い大理石の廟があります。ここには多くの巡礼者が訪れ、特に女性は子宝を願って糸を結んでいきます。
ブルンド・ダルワーザー(Buland Darwaza)
「勝利の門」を意味する、ジャマー・マスジッドの南側に位置する高さ54メートルの巨大な門です。アクバルがグジャラート遠征の勝利を記念して建てたもので、その圧倒的なスケールと荘厳な装飾は、見る者を惹きつけます。
パンチ・マハル(Panch Mahal)
「五層の宮殿」を意味する、ユニークな五階建ての建物です。各階は柱で支えられ、壁がない開放的な構造になっています。風通しが良く、夏の暑さをしのぐための場所として使われたと言われています。
ディワーニ・ハース(Diwan-i-Khas)
「私謁の間」と訳され、皇帝が特定の重臣と面会するために使ったとされる建物です。内部中央に立つ巨大な柱の上には、アクバルが座ったとされる場所があり、その独特な構造は、アクバルの宗教議論の場であったという説も有力です。
ジョーダー・バーイー宮殿(Jodha Bai’s Palace)
アクバルのヒンドゥー教徒の王妃ジョーダー・バーイーのために建てられた宮殿です。イスラム建築とヒンドゥー建築の要素が巧みに組み合わされており、異文化への寛容さを示す象徴的な建築物です。
ファテープル・シークリー観光のヒント
アクセス: ファテープル・シークリーは、アグラから車で約1時間の場所にあります。多くの観光客は、アグラのタージ・マハルやアグラ城と合わせて日帰りで訪れます。
ベストシーズン: 10月から3月にかけての涼しい時期が観光に適しています。夏は非常に暑くなります。
服装: モスクを訪れる際は、肌の露出の少ない服装を心がけ、女性はスカーフなどで髪を覆いましょう。また、モスク内では靴を脱ぐ必要があります。
ファテープル・シークリーは、一人の皇帝の夢と理想が凝縮された、まさに歴史の宝石箱です。赤砂岩の宮殿を歩きながら、ムガル帝国の栄華と、その裏に隠された悲しい歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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