生きた歴史の教科書:中国「平遥の古代都市」

平遥の古代都市
ニコル, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1997年
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻84p
英文タイトルAncient City of Ping Yao

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

中国北部の山西省に、まるで時間が止まったかのように、昔ながらの街並みがそのまま残る都市があります。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されている平遥の古代都市です。明と清の時代(14世紀〜20世紀)に、金融の中心地として繁栄を極めたこの街は、その堅牢な城壁、古い家屋、そして伝統的な商家の建物が完璧な状態で保存されており、「生きた歴史の教科書」と称されています。

目次

金融が育んだ城壁都市

平遥は、紀元前にはすでに都市として存在していましたが、その歴史が最も輝いたのは、明の時代に金融業の中心地として発展を遂げてからです。特に、中国最初の近代的な銀行「日昇昌(にっしょうしょう)」がこの地で誕生し、平遥は「中国のウォール街」として、国内の金融を支配しました。

この金融の繁栄は、都市に莫大な富をもたらし、その富は、堅牢な城壁、美しい邸宅、そして壮麗な寺院の建設に費やされました。しかし、20世紀に入り、近代的な銀行システムが導入されると、平遥の伝統的な金融業は衰退し、都市は開発から取り残されました。そのことが逆に、昔ながらの街並みをそのまま残す結果となりました。

見どころハイライト:城壁の街を歩く

平遥の魅力は、その城壁と、その中に広がる昔ながらの街並みです。歩きながら、その歴史と文化を肌で感じてみましょう。

平遥城壁

平遥の象徴であり、最も有名な見どころです。明の時代に再建された、全長約6キロメートルの堅牢な城壁で、その上を歩くことができます。城壁の上からは、平遥の街並みを一望でき、当時の防御の様子と、都市の規模の大きさを感じることができます。

日昇昌銀行

中国最初の近代的な銀行であり、平遥の金融の繁栄を象徴する場所です。現在、博物館として公開されており、当時の金融取引の様子や、平遥の銀行家たちの暮らしについて学ぶことができます。

旧市街の街並み

平遥の旧市街は、碁盤の目状に整備された通りと、そこに並ぶ伝統的な家屋が特徴です。それぞれの家屋は、美しい木製の門や、緻密な彫刻で飾られており、その路地を歩くと、まるで時間が止まったかのような気分になります。

双林寺

平遥の郊外にある仏教寺院で、世界遺産の一部として登録されています。寺院内には、明の時代に作られた、2000体以上もの彩色された塑像が残されており、その芸術性の高さと、信仰の深さを物語っています。

鎮国寺

平遥の郊外にある仏教寺院で、こちらも世界遺産の一部です。寺院内の本堂は、中国に現存する最古の木造建築の一つとされ、その建築技術の高さは、驚くべきものです。

平遥の古代都市観光のヒント

アクセス: 平遥は、中国の主要都市から列車でアクセスできます。特に、北京や西安からは高速鉄道が運行しています。

ベストシーズン: 春(4月~6月)か秋(9月~10月)が、気候が穏やかで観光に適しています。

街歩き: 旧市街は歩いて巡るのが一番です。

平遥の古代都市は、単なる歴史的な場所ではありません。それは、中国の金融の歴史、そして人々の暮らしが凝縮された、生きた博物館です。城壁に囲まれた街を歩きながら、遠い昔のロマンに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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