プランバナンの寺院群

プランバナンの寺院群
ンガリマン, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
インドネシア共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1991年
登録基準(ⅰ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻132p
英文タイトルPrambanan Temple Compounds

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

プランバナンの寺院群とは

仏教寺院とヒンドゥー寺院が混在する地

プランバナンの寺院群は、インドネシア・ジャワ島中部に位置するヒンドゥー教の宗教遺跡であり、9世紀にマタラム王国によって築かれました。この寺院群は、ヒンドゥー教の三大神であるブラフマー(創造)、ヴィシュヌ(維持)、シヴァ(破壊)を中心に祀ったもので、インドネシアにおけるヒンドゥー文化の成熟と信仰の深さを今に伝える貴重な建造物です。1991年にはユネスコの世界遺産に登録され、東南アジアにおけるヒンドゥー建築の傑作として高く評価されています。

寺院群の中心には、シヴァ神を祀る高さ約47メートルの主塔がそびえ立ち、左右にはブラフマー神とヴィシュヌ神を祀るやや小型の塔が配されています。これら三大神の塔は、一直線に並び、調和のとれた構造美を示しています。主塔の内部には、シヴァ神の像のほか、その妻パールヴァティー神、息子ガネーシャ神などの像も安置されており、神話世界を立体的に表現した空間となっています。

これらの塔を囲むようにして、多くの副塔(プラサラナ)や小堂が配置されており、当時の壮麗な宗教都市の姿が想像されます。さらに、塔の外壁には『ラーマーヤナ』や『バガヴァット・プラーナ』など、古代インドの叙事詩を題材とした浮彫が細緻に刻まれており、物語性と装飾性が高次に融合しています。これらのレリーフは単なる装飾ではなく、信仰者に神の物語を語りかける役割も果たしていました。

建築様式は、インドのヒンドゥー寺院に見られる典型的なシカラ(塔)様式を基本にしながら、インドネシア独自の装飾や構成が加えられています。各塔は層状に積み上げられた石材で構成され、その上部には蓮華を模した装飾が施されており、天へと昇る霊性を象徴しています。また、全体の配置は宇宙の秩序を表すマンダラの概念に基づいて設計されており、宗教的世界観が建築全体に体現されています。

プランバナンは、ヒンドゥー教がこの地域で栄えたことを示す重要な証拠であると同時に、ジャワ文化の中で宗教がいかに深く社会や芸術に根ざしていたかを示す文化遺産でもあります。その後、仏教寺院であるボロブドゥールとの文化的共存も見られ、宗教的寛容性の象徴としても意義深い存在です。

長い歳月の中で地震や風化による損傷を受けながらも、多くの塔が修復・保存され、今日に至るまでその壮麗な姿を保っています。プランバナンの寺院群は、信仰と芸術、宇宙観と建築が一体となった、古代インドネシア文明の輝かしい結晶と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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