| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1994年/2000年、2001年範囲拡大 |
| 登録基準 | (ⅰ)(ⅳ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻134p |
| 英文タイトル | Historic Ensemble of the Potala Palace, Lhasa |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ラサのポタラ宮歴史地区とは
歴代ダライラマが眠るチベット仏教の聖地
ラサのポタラ宮歴史地区は、中国チベット自治区の中心都市ラサに位置し、チベット仏教とその政治的中心地として長い歴史を有する地域です。この歴史地区には、ポタラ宮を中心に、ジョカン寺、ノルブリンカなどが含まれており、それぞれが宗教的、歴史的、建築的に極めて高い価値を有しています。これらの構成資産は、1994年にポタラ宮が単独で世界遺産に登録され、後にジョカン寺とノルブリンカが追加されて現在の形となりました。
ポタラ宮は標高3,700メートルを超えるマルポリ(赤い丘)の上にそびえる壮大な宮殿で、7世紀に吐蕃王朝のソンツェン・ガンポ王によって建設されたのが起源とされています。現在の姿は、17世紀に5代ダライ・ラマによって再建・拡張されたもので、以後はチベットの宗教指導者であるダライ・ラマの冬の居所および政治の中心地として機能しました。白宮と紅宮からなる建物群は、石と木材で構成され、13階建て、高さは約117メートルにも及びます。内部には数千の部屋があり、仏像、経典、壁画など、膨大な宗教的・歴史的遺物が納められています。
ジョカン寺は、ラサの旧市街中心部に位置するチベット仏教の最重要寺院であり、多くの巡礼者が五体投地しながら訪れる聖地です。7世紀にソンツェン・ガンポ王によって建立されたと伝えられ、寺内には王がネパールと唐から迎えた妃たちがもたらした仏像が安置されています。中でも釈迦牟尼像(ジョウォ・シャンパ)は、チベット仏教徒にとって極めて神聖な対象であり、多くの信仰を集めています。
また、ノルブリンカは「宝の庭園」とも呼ばれ、18世紀以降の歴代ダライ・ラマの夏の離宮として使用されてきました。広大な敷地に庭園と宮殿が整備され、チベットの伝統的な建築様式と装飾が随所に見られます。ノルブリンカは宗教的な場所というだけでなく、文化芸術や儀礼の場としても機能してきた歴史を有しています。
これら三つの遺産は、単に宗教施設や宮殿であるにとどまらず、チベット文化と精神性の体現として極めて重要です。建築、芸術、信仰が一体となった空間は、長い年月をかけて形成され、現在も巡礼や儀式を通じて生きた文化遺産として保たれています。ラサのポタラ宮歴史地区は、チベット民族の歴史と信仰、そしてその精神的な営みを深く物語る、世界的に貴重な文化遺産であるといえるでしょう。

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