曲阜の孔廟、孔林、孔府

曲阜の孔廟、孔林、孔府
夢人, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1994年
登録基準(ⅰ)(ⅳ)(ⅵ)
その他の区分
公式テキストページ中巻164p
英文タイトルTemple and Cemetery of Confucius and the Kong Family Mansion in Qufu

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

曲阜の孔廟、孔林、孔府とは

歴代皇帝に保護された孔子とその一族の廟

曲阜(きょくふ)は、中国山東省に位置し、儒教の創始者である孔子(紀元前551年~紀元前479年)の故郷として広く知られています。ここには孔子を祀る孔廟(こうびょう)、その子孫の墓所である孔林(こうりん)、そして代々の子孫が住んだ孔府(こうふ)という三つの重要な施設が存在し、合わせて「三孔(さんこう)」と呼ばれています。これらは儒教文化の中核をなす場所として、1994年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

孔廟は、孔子の死後、彼の徳を偲んで建立された廟所で、現存する建築群は主に金、元、明、清の時代に再建・拡張されたものです。広大な敷地には、宮殿風の建築様式を持つ大成殿をはじめとする殿堂や門、碑亭などが壮麗に並び、中国の伝統的な宗教建築の精粋を示しています。特に大成殿には孔子とその弟子たちの位牌が安置されており、長年にわたり国家的な祭祀の場として尊ばれてきました。

孔林は、孔子およびその一族の墓域であり、2000年以上にわたりその一族がここに埋葬されてきました。広さは約200ヘクタールに及び、緑豊かな森林の中に無数の墓碑が点在しています。孔子の墓は簡素ながらも荘重な雰囲気をたたえ、その前には多くの石碑や供物台が並びます。林内の樹木と調和した景観は、儒教における孝と祖先崇拝の精神を象徴しています。

孔府は、孔子の嫡流子孫が代々暮らした邸宅であり、官職を授けられた「衍聖公(えんせいこう)」の家系によって運営されてきました。広大な敷地内には住宅、会議室、書庫、庭園などが配され、まるで一つの小さな都市のような構成となっています。建築様式は明清時代の典型的な官邸建築を踏襲しており、儒教的な秩序と美意識が随所に反映されています。また、孔府には膨大な文書や書籍、儀式用品が保管されており、孔子の思想の継承と研究の拠点でもありました。

三孔は単なる歴史建造物にとどまらず、長きにわたり中国社会に影響を与え続けてきた儒教の精神的中心地です。政治、教育、道徳の基礎として儒教が重視された時代には、皇帝自らが孔廟を訪れて祭祀を行うなど、国家的な敬意が払われてきました。そのため、三孔は中国の思想史・文化史を語る上で不可欠な遺産であり、今なお世界中から多くの訪問者を惹きつけています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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