| 国 | パレスチナ国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2023年 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻173p |
| 英文タイトル | Ancient Jericho/Tell es-Sultan |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
古代エリコ/テル・エッ・スルタンとは
肥沃な三日月地帯における新石器化を示す遺跡
古代エリコ(テル・エッ・スルタン)は、パレスチナのヨルダン川西岸地区に位置する、世界最古の都市遺跡の一つです。この遺跡は、聖書にも登場するエリコの古代都市であり、数千年にわたる歴史を持つ重要な考古学的遺産です。エリコは、その発展が約1万年にわたって続いたため、都市としての起源を知る上で非常に貴重な場所とされています。
テル・エッ・スルタン遺跡は、紀元前9000年頃から人々が定住を始めたと考えられており、これは新石器時代の初期にあたります。エリコは農業の発展と共に成長し、定住生活が広がる中で、最初の都市化が進んだ場所としても知られています。この都市は、古代中東地域における初期の都市文明の一端を示す重要な証拠となっており、その遺構からは、当時の人々の生活様式や社会構造、技術などの情報を知ることができます。
エリコの代表的な遺構の一つが、「エリコの城壁」として知られる巨大な城壁です。この城壁は、約1万年前に建設されたもので、高さが約8メートル、厚さが約2.5メートルもあり、その規模は非常に印象的です。この城壁は、都市を守るために築かれた防御施設であり、また、エリコの人々が防衛や安全をどのように確保していたのかを示す重要な証拠です。さらに、城壁の中には巨大な塔も存在し、この塔はエリコの宗教的な中心地としての役割を果たしていたと考えられています。
また、エリコ遺跡には、紀元前8000年頃に建設されたとされる「エリコの家屋」も発見されています。これらの家屋は、円形または楕円形の構造をしており、当時の人々がどのように住んでいたかを示しています。住居の中には、煮炊き用の炉や収納スペースがあり、当時の生活に必要な道具や器物も多数出土しています。これらの発見は、エリコの人々がどのように生活していたのかを直接的に物語っており、当時の文化や社会構造についての理解を深める手がかりとなっています。
さらに、テル・エッ・スルタン遺跡では、墓地や宗教的な儀式に関連する遺物も発見されており、エリコの人々がどのような信仰を持ち、宗教的な儀式を行っていたかについても知ることができます。特に、動物や人間の彫像、祭壇の跡などが発見されており、これらはエリコの宗教的な信念や儀式を理解するための重要な証拠です。
エリコは、その歴史的な価値から、世界遺産に登録されており、その保護と研究が進められています。この遺跡は、古代の都市文明や宗教的な信仰、社会構造を知る上で非常に重要な資料であり、現在も多くの考古学者によって研究されています。また、エリコは観光地としても訪れる人々にとって魅力的な場所であり、その歴史的な価値を感じながら、古代の人々の足跡を辿ることができます。
エリコの遺跡群は、その長い歴史と深い文化的意義から、世界の遺産として後世に伝えるべき貴重な場所です。

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