メイマンドの文化的景観

メイマンドの文化的景観
イラン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2015年
登録基準(ⅴ)
その他の区分文化的景観
公式テキストページ中巻194p
英文タイトルCultural Landscape of Maymand

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

メイマンドの文化的景観とは

イラン乾燥部で半遊牧民たちが生活する地域

メイマンドの文化的景観は、イラン南東部のケルマーン州に位置する、人類の生活様式と自然環境の調和を示す貴重な文化遺産です。2015年にユネスコの世界遺産に登録され、その価値は半遊牧的な暮らしと岩を穿って築かれた住居の独自性にあります。約12,000年にわたる人間の居住の痕跡が確認されており、旧石器時代から人々がこの地に根を下ろして生活してきたことが明らかになっています。

メイマンドは、年間を通じて移動を行う独特の生活様式によって知られています。住民たちは夏季と冬季で居住地を変える伝統を守り続け、冬には山の岩盤を掘り抜いた洞窟住居で生活し、夏には高地の草地へと移動します。このような半遊牧的な営みは、気候や地形に適応することで育まれた知恵であり、周囲の自然資源を持続的に利用しながら生活する人々の工夫が凝縮されています。

岩を掘り抜いて造られた住居は「ケル」という名で呼ばれ、それぞれが互いに近接して配置され、まるで村全体が岩の中に包まれているような景観を生み出しています。これらの住居は、断熱性に優れ、厳しい冬の寒さから住民を守る構造となっており、自然素材を用いた建築の知識が活かされています。また、住居だけでなく、祈祷所や貯蔵庫、家畜の囲い場なども岩に刻まれており、生活の全てがこの空間の中で完結しています。

メイマンドの文化的景観は、建築技術や気候適応の手法だけでなく、口承による言語や儀式、農耕技術などの無形文化の継承も含めた複合的な文化遺産です。住民は今もこの伝統的な暮らしを営んでおり、近代化が進む中にあっても古来の知恵を守り続けています。

この地は、人類が自然と共に生きる術を身につけてきた長い歴史の証しであり、環境と文化の共存が生み出した貴重な文化的景観として、今も世界中の注目を集めています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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