| 国 | イラン・イスラム共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2021年 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅴ) |
| その他の区分 | 文化的景観 |
| 公式テキストページ | 中巻195p |
| 英文タイトル | Cultural Landscape of Hawraman/Uramanat |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ホーラマン/ウラマナトの文化的景観とは
厳しい自然環境に適応したホーラミ人の生活を伝える
ホーラマン/ウラマナトの文化的景観は、イラン西部のザグロス山脈に位置する、自然環境と人類の暮らしが長い時間をかけて共生してきた地域を象徴する文化遺産です。この地は、2021年にユネスコの世界遺産に登録されました。ケルマーンシャー州とクルディスターン州にまたがるこの地域は、険しい山岳地帯にありながら、数千年にわたり人間が居住し、独自の生活様式と文化を形成してきました。
ホーラマン地方は、自然の傾斜を活かして段状に建てられた伝統的な石造建築群で知られています。これらの家屋は、下層の屋根が上層の通路としても機能するように設計されており、山の斜面に密集するようにして構築されています。このような建築様式は、限られた土地と急峻な地形という制約の中で、人々が環境に適応するために編み出した知恵の結晶であると言えます。
さらに、ホーラマン地域は、クルド系民族の伝統文化が色濃く残る地としても知られています。特に言語、宗教儀礼、農耕技術、工芸などにおいて、現代に至るまで伝統が受け継がれており、文化的多様性の重要な証拠となっています。ゾロアスター教の要素を残した古代の信仰や、ユニークな婚礼儀式、詩歌の伝承などが今も人々の暮らしに息づいており、無形文化遺産の面でも高い価値を有しています。
この地域の経済活動は、古来より乾燥した山地でも持続可能な農業が行えるよう工夫されており、石を積んで造成された段々畑や灌漑システムが今も利用されています。また、養蜂や織物、木工など、自然資源を活用した生業も発展してきました。これらの生活文化の積み重ねが、ホーラマンに独特の文化的景観をもたらしています。
ホーラマン/ウラマナトの文化的景観は、厳しい自然環境と共に生きる中で形成された人類の創造性と持続可能な暮らしの知恵を示す稀有な例であり、山岳文化の多様性を体現する貴重な遺産であるといえます。

コメント