ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石群

ブロッケンの栄光編集:CillanXC, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
トルコ共和国
登録区分複合遺産
世界遺産登録年1985年
登録基準(ⅰ)(ⅲ)(ⅴ)(ⅶ)
その他の区分
公式テキストページ中巻206p
英文タイトルGöreme National Park and the Rock Sites of Cappadocia

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石群とは

自然が生み出した奇観とキリスト教徒を支えた岩窟聖堂

トルコ中央部のアナトリア高原に位置する「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩窟群」は、自然と人間の営みが調和した、世界的にも特異な景観と歴史を有する文化的景観の世界遺産です。この地域は1985年にユネスコ世界遺産に登録され、奇岩群と地下都市、岩をくりぬいた教会などが融合した独自の文化的景観が高く評価されています。

カッパドキア一帯は、数百万年前の火山活動により堆積した凝灰岩が長年にわたる風雨の浸食を受け、現在のような円錐状やキノコ型の奇岩が形成されました。特に「妖精の煙突」と呼ばれる岩柱は、この地を象徴する景観の一つです。柔らかい岩質を利用して人々は住居や教会、貯蔵庫などを掘り、独特の岩窟建築を発展させました。

ギョレメ国立公園内には、キリスト教徒によって築かれた数多くの岩窟教会があります。これらの教会は4世紀から13世紀頃にかけて使用され、中にはビザンティン様式の壁画が今なお色鮮やかに残るものもあります。特にトカル・キリセ(バックル教会)やエルマル・キリセ(リンゴ教会)などは、聖書の物語を描いたフレスコ画で知られ、宗教美術の傑作として評価されています。

また、カッパドキアには地下深くに広がる都市遺構も多く存在し、デリンクユやカイマクルなどの地下都市は、迫害を逃れた人々の避難場所として使用されていました。これらの地下施設は多層構造で、居住空間や教会、貯蔵室、通気孔などが巧みに設けられており、当時の人々の知恵と工夫を今に伝えています。

この地域は単なる自然景観ではなく、人間が地形と共生しながら築いてきた宗教的・文化的歴史の証拠として、非常に高い価値を有しています。特にキリスト教初期の修道生活や、ビザンティン時代の宗教文化を物語る資料が集中しており、歴史学・建築学・宗教研究など多方面にわたる貴重な研究対象となっています。

ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群は、自然の創造力と人間の創造性が融合した世界遺産として、訪れる人々に深い感動を与える場所となっています。現在では観光地としても人気が高く、保存と持続可能な活用の両立が課題とされています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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