ヒエラポリスとパムッカレ

ヒエラポリスとパムッカレ
アントワーヌ・タヴノー, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
トルコ共和国
登録区分複合遺産
世界遺産登録年1988年
登録基準(ⅲ)(ⅳ)(ⅶ)
その他の区分
公式テキストページ中巻207p
英文タイトルHierapolis-Pamukkale

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ヒエラポリスとパムッカレとは

石灰棚の奇観と繁栄を築いていた古代都市

ヒエラポリス-パムッカレは、トルコ西部のデニズリ県に位置する、自然と文化が融合した複合的な世界遺産であり、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地は、紀元前2世紀にペルガモン王国によって築かれた古代都市ヒエラポリスと、石灰分を豊富に含んだ温泉水が長い年月をかけて造り上げた白亜の石灰棚で知られています。

ヒエラポリスは、古代ローマ時代に温泉保養地として発展し、多くの人々が治療と休養を求めて訪れました。都市には劇場や浴場、列柱通り、神殿、ネクロポリス(墓地)などの遺構が広がり、当時の高度な建築技術や都市設計の痕跡を今に伝えています。特に保存状態の良い大劇場は、1万人以上を収容できたとされ、現代でもイベントなどに利用されています。

一方、パムッカレはトルコ語で「綿の城」を意味し、まさに名の通り、真っ白な石灰棚が丘陵地に段状に広がる独特の景観を生み出しています。これは、地下から湧き出す約35度の温泉水に溶け込んだ炭酸カルシウムが空気に触れることで沈殿し、長い年月をかけて生成された自然の造形物です。美しいターコイズブルーの水を湛えた浅い棚田状の池が連なり、訪れる人々を魅了します。

ヒエラポリスとパムッカレは古代より密接に結びつき、宗教的・医療的な聖地としても知られてきました。特に紀元4世紀以降はキリスト教の聖地ともなり、使徒フィリポが殉教した地とされ、フィリポの殉教教会が建設されました。これにより、巡礼の目的地としても重要な役割を果たしました。

今日では、考古学的発掘と保存活動が進められ、ヒエラポリスの遺構とパムッカレの自然景観は共に保護されています。また、観光客による影響を最小限に抑えるため、石灰棚への立ち入りは制限され、保護と持続的な利用の両立が図られています。

ヒエラポリス-パムッカレは、自然が生み出した壮観な地形と人類が築いた歴史的都市遺跡が一体となった、世界的に貴重な文化的景観であり、人類の遺産として今後も大切に守り継がれるべき存在です。

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