| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2013年 |
| 登録基準 | (ⅶ)(ⅸ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻211p |
| 英文タイトル | Xinjiang Tianshan |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
新疆天山とは
独特な生態系と多彩な地形をあわせもつ山脈
新疆天山(Xinjiang Tianshan)は、中国新疆ウイグル自治区に位置する広大な山岳地帯で、2013年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。この地域は、ユーラシア大陸の中央部に広がる天山山脈の一部であり、厳しい砂漠環境に囲まれながらも、多様な気候帯と生態系を保持している点が評価されました。登録されたエリアは約606,833ヘクタールに及び、4つの保護区域に分かれています。これらはトムール、カルジュン=クーネス、ボグダ、バインブルクの各景観区で、それぞれが独自の自然美と生態学的価値を有しています。
新疆天山は、氷河、雪山、草原、森林、そして湖沼といった多様な自然景観を有し、非常に高い生物多様性を誇ります。標高の違いにより、気候や植生が大きく変化し、低地の乾燥地帯から高地の氷雪地帯まで、多様な環境が形成されています。特にトムール峰はこの山脈の最高峰であり、雪をいただくその姿は圧巻です。清らかな雪解け水は、周辺のオアシス農業や乾燥地帯にとって極めて重要な水資源ともなっています。
この地域はまた、多くの絶滅危惧種を含む動植物の生息地でもあります。例えば、イリヒョウ、ユキヒョウ、アルガリ、イリワシミミズクといった珍しい動物が確認されており、生物学的にも重要な地域となっています。草原や森林、湖畔では、春から夏にかけて多くの花々が咲き誇り、自然観察の場としても魅力にあふれています。
さらに、新疆天山は古代よりシルクロードの一部として利用されてきた歴史も有しており、文化と自然の交差点でもあります。過去には交易路としての役割を果たし、多様な文化や民族が交錯する場所でもありました。現在でも、ウイグル族をはじめとする多様な民族がこの地域に暮らしており、伝統的な生活様式と自然との共生が見られます。
新疆天山は、乾燥地帯における高山エコシステムの保存例として、またその壮大な自然景観や生態系の多様性によって、地球規模での環境保全や気候変動研究にも貢献しています。そのため、世界自然遺産としての意義は非常に大きく、将来にわたってその保護と持続可能な活用が求められる地域です。訪れる人々にとっては、雄大な自然の美と共に、深い歴史と文化にも触れることのできる、貴重な場所となっています。

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