| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2010年 |
| 登録基準 | (ⅶ)(ⅷ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻212p |
| 英文タイトル | China Danxia |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
中国の丹霞地形とは
赤色の大地が生んだ山の景観
中国丹霞(China Danxia)は、中国南部から南西部にかけて分布する、赤い砂岩で形成された特異な地形景観を持つ地域群であり、2010年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。「丹霞」という名称は、元々中国広東省の丹霞山に由来し、赤褐色の岩肌が朝日や夕日に染まる様子が「丹(赤い)霞(雲)」に見えることから名付けられたとされています。登録対象は広東、福建、湖南、江西、貴州、浙江の6省にわたる6地域で、それぞれが独自の地質的・景観的特徴を備えています。
中国丹霞の地形は、約1億年前の中生代から堆積した赤い砂岩層が、地殻変動と長年の風化・浸食によって隆起し、断崖、石柱、孤立した峰、峡谷、天然橋など、多彩で壮観な地形を形成したものです。これらの地形は、非常に急峻で複雑な形状を持ち、自然が生み出した彫刻のような美しさを感じさせます。特に、赤い岩肌に草木が生い茂る様子は、鮮やかなコントラストを生み出し、視覚的にも非常に印象的です。
この地形は、他の地域では見られない独特の成り立ちと景観美を有しており、地質学的な研究においても極めて重要な価値を持ちます。丹霞地形は乾燥地帯に見られる類似の地形とは異なり、湿潤な亜熱帯地域に形成された点においても特異であり、世界的にも類例が少ないものです。
また、丹霞地形の地域には、多様な動植物が生息しており、生物多様性の観点からも注目されています。特に、孤立した岩山や谷間の独自の環境に適応した固有種や絶滅危惧種が数多く見られることから、生態系の保全においても重要な役割を果たしています。
さらに、中国丹霞は文化的・宗教的側面でも深い関わりを持ちます。古くから多くの仏教寺院や道教の霊場が山中に建立されており、自然の神聖性と人間の信仰が調和する場所としても尊ばれてきました。特に、丹霞山や梵浄山では、自然の中に築かれた宗教施設が景観の一部として溶け込んでおり、訪れる者に精神的な安らぎを与えてきました。
このように、中国丹霞は、地質学的な希少性、視覚的な美しさ、生態学的多様性、そして文化的意義を兼ね備えた世界遺産であり、人類の自然に対する理解と尊重を促す象徴的な存在であると言えるでしょう。今後もその価値を維持・継承するためには、適切な保護と持続可能な観光管理が求められています。

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