| 国 | チュニジア共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1979年/2010年範囲変更 |
| 登録基準 | (ⅳ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻261p |
| 英文タイトル | Amphitheatre of El Jem |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
エル・ジェムの円形闘技場とは
アフリカ大陸最大の円形闘技場
エル・ジェム円形闘技場は、チュニジア中部に位置するローマ時代の壮麗な建築遺跡であり、北アフリカ最大級の円形闘技場として知られています。1979年にユネスコ世界遺産に登録され、その保存状態の良さから、ローマ帝国の建築技術を今に伝える貴重な遺産となっています。
この闘技場は、西暦3世紀初頭、セウェルス王朝時代に建設されました。ローマ帝国の属州であった北アフリカは、都市化が進み、経済的にも繁栄していました。その中心都市のひとつであったエル・ジェム(古代名:ティスドゥルス)には、娯楽施設として壮大な円形闘技場が築かれ、剣闘士の戦いや猛獣との闘いが市民の娯楽として行われていました。
エル・ジェム円形闘技場の構造は、ローマのコロッセオに匹敵する規模を誇り、約3万5000人を収容できる設計となっています。建物の直径は約148メートル、外壁の高さは約36メートルに達し、巨大な石造建築の技術が見事に表れています。建材には現地で採れる石灰岩が用いられ、階層構造の観客席、地下の獣舎や剣闘士の控え室などが整備されていました。
ローマ帝国の衰退とともに、エル・ジェムの都市も次第にその活気を失い、闘技場は使用されなくなりました。しかし、中世以降も要塞として利用されるなど、その建造物は歴史を通じて様々な用途で活用されました。オスマン帝国時代には、地元住民が闘技場の石材を用いて建物を建設したため、一部が崩壊しましたが、それでも現在までその壮麗な姿を維持しています。
今日では、エル・ジェム円形闘技場は観光名所として多くの人々を惹きつけています。ローマ建築の壮大さを体感できるだけでなく、コンサートなどの文化イベントが開催されることもあります。この遺跡を訪れることで、かつてのローマ帝国の繁栄と、人々の娯楽文化を直接感じ取ることができるでしょう。

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