| 国 | マリ共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1988年/2012年危機遺産登録 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅳ)(ⅴ) |
| その他の区分 | 危機遺産 |
| 公式テキストページ | 中巻264p |
| 英文タイトル | Timbuktu |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
伝説の都市トンブクトゥとは
サハラ砂漠で栄えた黄金の都市
トンブクトゥは、西アフリカのマリ共和国に位置する歴史的な都市であり、イスラム文化と交易の中心地として発展してきました。かつて「黄金の都市」と称されたこの町は、サハラ交易路の交差点に位置し、塩、金、書物、奴隷などの交易を通じて繁栄しました。1988年にはユネスコ世界遺産に登録され、その貴重な文化遺産を今に伝えています。
トンブクトゥの歴史は、11世紀頃に遡ります。最初は遊牧民トゥアレグ族の交易拠点として誕生しましたが、14世紀にはマリ帝国の支配下に入り、大規模な交易都市へと発展しました。特にイスラム学問の中心地としての役割を果たし、多くの学者や商人が集まることで、文化と知識の交流が盛んになりました。15世紀から16世紀にかけては、ソンガイ帝国の統治下でさらに繁栄し、世界中から訪れる学者や商人を迎え入れる重要な都市となりました。
この都市には、当時の繁栄を象徴する歴史的建築が数多く残されています。トンブクトゥを代表する建築のひとつが、サンコーレ・モスクです。14世紀に建設されたこのモスクは、学問の中心地として機能し、イスラム学者が集まり、貴重な書物を保管していました。また、ジンガレイベル・モスクやシディ・ヤヒヤ・モスクも同様に、壮麗なサハラ建築の特徴を持ち、イスラム文化の伝統を今に伝えています。
さらに、トンブクトゥの名声を高めたのは、その豊富な写本の存在です。市内には数多くの写本庫があり、何世紀にもわたって保存されてきた貴重な書物が収蔵されています。これらの写本には、イスラム哲学、数学、天文学、医学など、多岐にわたる知識が記されており、かつてトンブクトゥが学問の中心地であったことを物語っています。
しかしながら、近年の紛争や気候変動により、トンブクトゥの遺産は危機にさらされています。一部の建築物は破壊され、写本の保存にも課題が生じています。そのため、ユネスコや地元自治体が協力し、遺産の保護と修復に向けた取り組みが進められています。
トンブクトゥは、交易と学問の中心地として長い歴史を持ち、その遺産は現在も西アフリカの文化と歴史を伝えています。この都市を訪れることで、かつての繁栄と知識の交流の重要性を実感することができるでしょう。

コメント