| 国 | エチオピア連邦民主共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2006年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻270p |
| 英文タイトル | Harar Jugol, the Fortified Historic Town |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
城塞歴史都市ハラール・ジュゴルとは
アフリカとイスラムが融合した城壁の街
ハラール・ジュゴル(Harar Jugol, the Fortified Historic Town)は、エチオピア東部に位置する歴史的な都市であり、2006年にユネスコの世界遺産に登録されました。ハラールはイスラム文化の重要な中心地として知られ、特に「イスラムの第四の聖地」と称されるほど宗教的・文化的な価値を持つ都市です。
都市の歴史と重要性
ハラールの起源は7世紀頃にさかのぼり、10世紀にはイスラム教が伝わり、交易の拠点として発展しました。特に13世紀から16世紀にかけて、紅海とインド洋の交易ネットワークに組み込まれ、多くの商人が行き交いました。この都市はアフリカ、アラブ、インド、ヨーロッパなど様々な文化が交差する場所となり、独自の歴史と建築様式を築きました。
都市の特徴と建築
ハラール・ジュゴルは、堅固な城壁に囲まれた都市として知られています。この城壁は16世紀に建設され、侵略や外敵から都市を守る役割を果たしていました。都市の内部には、82のモスクと102の聖廟が点在し、イスラム文化の深い影響が感じられます。特にジャミ・モスク(Jami Mosque)は、都市の象徴的な建造物のひとつです。
建築様式は、エチオピア、イスラム、インドの要素が融合した独特のものとなっており、伝統的な家屋は細かな木彫りや鮮やかな色彩で装飾されています。路地は迷路のように入り組んでおり、都市全体が防御的な設計となっています。また、住居には内部庭があり、日差しや気温の調整が工夫されている点も特徴です。
文化と伝統
ハラールでは、今でも伝統的な商業活動が盛んであり、特に市場(スーク)では、コーヒー、絹、宝飾品、香辛料などが取引されています。エチオピアコーヒーの文化も根付いており、コーヒーセレモニーは日常的な習慣として重要な位置を占めています。
さらに、ハラールでは「ハイエナ使い」の伝統があり、街の外でハイエナに餌を与える習慣が続いています。これは、地域社会と自然界との共存を象徴する文化のひとつとして知られています。
現在のハラール
現在も多くの人がハラール・ジュゴルに住み、伝統的な生活様式を守りながら暮らしています。世界遺産としての保護活動が進められており、歴史的な建造物や文化の維持が重要視されています。訪れる人々は、この都市独特の雰囲気の中で、イスラム文化とエチオピアの伝統が融合した街並みを楽しむことができます。
ハラール・ジュゴルは、歴史・文化・建築が調和する貴重な遺産であり、エチオピアの多様な遺産の中でも特に重要な場所です。今もなお、過去の文化を伝える生きた都市としてその価値を保ち続けています。

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