| 国 | チュニジア共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2023年 |
| 登録基準 | (ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻271p |
| 英文タイトル | Djerba: Testimony to a settlement pattern in an island territory |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ジェルバ:島嶼部への入植様式の証拠とは
イスラム教とユダヤ人が共生していたことを示す遺跡
ジェルバ島:島嶼地域における定住形態の証言(Djerba: Testimony to a Settlement Pattern in an Island Territory)は、チュニジア沖の地中海に浮かぶジェルバ島に位置し、2023年にユネスコの世界遺産に登録されました。この島は、独自の定住形態を持ち、歴史的に多様な文化が共存してきた場所として高く評価されています。
ジェルバ島の歴史的背景
ジェルバ島は、古代から地中海の重要な交易拠点として栄え、フェニキア人、ローマ人、アラブ人、ベルベル人、オスマン帝国など、さまざまな民族や文化の影響を受けてきました。特にイスラム文化のもとで発展した独特の都市計画と定住形態が特徴であり、地域の建築様式や社会構造にその影響が色濃く残されています。
独特な定住形態と建築
ジェルバ島の住居構造は、他の北アフリカ地域とは異なる特徴を持っています。島の集落は「メンゼル」と呼ばれる独特の住居群で構成されており、これは農業を営みながら自給自足が可能な半独立型の家屋群です。メンゼルは、複数の建物が広い敷地内に点在し、井戸や農地とともに一つの単位を形成しています。この定住形態は、島嶼地域特有の環境に適応したものであり、持続可能な生活様式を実現しています。
また、ジェルバ島には数多くのモスクが点在しており、その数は約300にも及びます。これらのモスクは、イスラム建築の特色を反映しながらも、島独自の簡素なデザインと砂漠地帯の気候に適した構造を持っています。特に白い漆喰で覆われた建物は、強い日差しを和らげるための工夫が施されており、都市景観の特徴となっています。
文化的多様性と宗教の共存
ジェルバ島は、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の信仰が共存する地域としても知られています。特にユダヤ教徒のコミュニティは、古くから島に定住しており、エル・グリーバ・シナゴーグ(El Ghriba Synagogue)は、北アフリカ最古のシナゴーグのひとつとして歴史的価値を持っています。このような文化的多様性は、ジェルバ島の独特な社会構造を形作る要素となっています。
現在のジェルバ島と世界遺産の意義
ジェルバ島は、伝統的な生活様式を維持しながらも、観光地としての発展も遂げています。しかし、都市化や環境変化に伴い、独自の定住形態や建築遺産の保存が重要な課題となっています。世界遺産登録により、島の文化的景観や歴史的価値の保護が促進され、地域社会の持続可能な発展が期待されています。
ジェルバ島を訪れることで、地中海における文化交流の歴史や、島嶼環境に適応した独特の都市構造を知ることができます。この地は、異なる宗教や文化が共存し、長い年月をかけて培われた持続可能な生活の証として、今もその価値を伝え続けています。

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