カイロの歴史地区

カイロの歴史地区
シラー, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
エジプト・アラブ共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1979年
登録基準(ⅰ)(ⅴ)(ⅵ)
その他の区分
公式テキストページ中巻272p
英文タイトルHistoric Cairo

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

カイロの歴史地区とは

豪華なモスク群を擁するイスラム都市

カイロの歴史地区(Historic Cairo)は、エジプトの首都カイロに広がる歴史的地区であり、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、7世紀以降にイスラム都市として発展し、数多くのモスク、宮殿、要塞、市場(スーク)などが残されており、イスラム世界の都市構造と文化の発展を知るうえで極めて重要な遺産です。

カイロの歴史と発展

カイロの歴史は、紀元641年にイスラム勢力がエジプトを征服し、フスタートと呼ばれる都市を建設したことに始まります。その後、ファーティマ朝(10世紀)、アイユーブ朝(12世紀)、マムルーク朝(13世紀〜16世紀)などの支配を経て、都市は拡張され、宗教・政治・商業の中心地として繁栄しました。特にマムルーク朝時代には、壮麗なモスクやマドラサ(学院)が数多く建設され、カイロは「千のミナレットの街」として知られるようになりました。

主要な歴史的建造物

カイロの歴史地区には、イスラム建築の傑作ともいえる多くの重要な建造物が存在します。その中でも特に重要なのは以下の遺構です。

  • サラディン城塞(Citadel of Saladin)
    12世紀にアイユーブ朝のサラディンによって建設された要塞で、カイロを防衛するために築かれました。内部にはムハンマド・アリー・モスクがあり、市内を一望できる壮大な景観を楽しむことができます。
  • イブン・トゥールーン・モスク(Mosque of Ibn Tulun)
    9世紀に建設されたエジプト最古のモスクのひとつで、広大な中庭と螺旋状のミナレットが特徴的です。イスラム初期の建築様式を伝える重要な遺構となっています。
  • アル=アズハル・モスク(Al-Azhar Mosque)
    970年にファーティマ朝によって建設され、現在もイスラム世界有数の教育機関として機能しています。このモスクは、長い歴史を持つイスラム学問の中心地として知られています。
  • カーン・アル=カリリ市場(Khan el-Khalili)
    14世紀に設立された市場で、現在も多くの商人や職人が活動する賑やかな場所です。金細工や香辛料、伝統工芸品などが並び、中世のカイロの活気ある交易の雰囲気を今に伝えています。

カイロの歴史地区の価値

カイロの歴史地区は、1000年以上にわたる都市の発展の様子を示す貴重な遺産であり、イスラム建築の変遷や文化の交流を記録する重要な場所です。都市の構造は、細く入り組んだ路地と密集した建物が特徴であり、防御性と機能性を兼ね備えた中世イスラム都市の典型例として評価されています。

現在も多くの住民が暮らしており、歴史的建造物と現代の生活が共存するユニークな都市環境が続いています。世界遺産としての保護活動が進められる一方で、都市の過密化や環境問題への対応も重要視されています。

カイロの歴史地区を訪れることで、イスラム世界の都市計画や建築様式の魅力を体験し、古代から現代へと続く歴史の流れを感じることができます。この地は、イスラム文化とエジプトの都市発展の証として、今なおその価値を伝え続ける貴重な遺産です。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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