| 国 | モロッコ王国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1997年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅳ)(ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻277p |
| 英文タイトル | Medina of Tétouan (formerly known as Titawin) |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
テトゥアンの旧市街(旧名ティタウィン)とは
イスラムとスペインが混じった白亜の街並み
テトゥアンの旧市街(Medina of Tétouan)は、モロッコ北部に位置する歴史的な都市であり、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。スペインとアラブの文化が融合した独特の都市景観を持つこの旧市街は、イスラム建築の中でも特に保存状態が良く、モロッコの歴史を伝える貴重な遺産です。
旧市街の歴史と発展
テトゥアンの旧市街の起源は古代ローマ時代に遡りますが、本格的に都市が形成されたのは15世紀のことです。スペインでのレコンキスタ(国土回復運動)によってアンダルシア地方から追放されたムーア人やユダヤ人が移り住んだことで、新たな都市として発展しました。そのため、この旧市街にはアンダルシア文化とイスラム建築が融合した独特の景観が広がっています。
16世紀から17世紀にかけては、交易拠点としての役割を果たし、モロッコ北部の政治・文化の中心地として栄えました。都市の建築や工芸品にはスペイン・イスラム様式の影響が強く見られ、白い壁の建物や装飾の美しいファサードが並ぶ街並みは、モロッコの他の都市とは異なる特色を持っています。
主要な建築物と都市構造
テトゥアンの旧市街には、スペイン・イスラム様式を象徴する数々の歴史的建造物が残されています。その中でも特に重要な施設は以下の通りです。
- 王宮(Royal Palace)
旧市街の中心部に位置する王宮は、現在もモロッコ王室の公式施設として使用されています。広場に面した壮麗な門が特徴で、アンダルシア文化の影響を色濃く反映しています。 - スーク(市場)
狭い路地に広がる市場(スーク)は、伝統的な職人の工房や商店が並び、手工芸品や陶器、織物、銀細工などが販売されています。スペインの影響を受けた装飾が施された工芸品は、テトゥアン独自の文化を伝える貴重な品です。 - モスクと神学校(マドラサ)
旧市街には多くのモスクやマドラサ(イスラム学院)が点在しており、宗教と学問の中心地としての役割を担ってきました。特にスルタン・アフメッド・モスクは、美しい彫刻やアーチが特徴で、イスラム建築の魅力を伝えています。 - 城壁と門
旧市街を囲む城壁と門は、防衛の目的で築かれたものであり、16世紀の都市計画の名残を今に伝えています。特にバブ・オカラ門(Bab Okla)は、旧市街への主要な入口として有名です。
旧市街の保存と現代の価値
テトゥアンの旧市街は、現在も多くの住民が暮らし、伝統的な生活を守りながら都市の歴史を継承しています。ユネスコの世界遺産登録により、建築遺産の保存活動が進められ、都市の発展と文化遺産の保護のバランスが取られています。近年では、スペイン文化との交流が活発化し、芸術や音楽の分野でも影響を受けながら新たな文化の創造が進められています。
テトゥアンの旧市街を訪れることで、スペイン・イスラム文化の融合を体験し、美しい建築や工芸品、活気ある市場の雰囲気を楽しむことができます。モロッコの歴史と文化が凝縮されたこの都市は、過去と現在が共存する貴重な遺産として、今もなお多くの人々にその価値を伝え続けています。

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