| 国 | カーボヴェルデ共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2009年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅲ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻278p |
| 英文タイトル | Cidade Velha, Historic Centre of Ribeira Grande |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
シダーデ・ヴェーリャ、リベイラ・グランデの歴史地区とは
大西洋に浮かぶ奴隷貿易の中継点
シダーデ・ヴェーリャ:リベイラ・グランデの歴史地区(Cidade Velha, Historic Centre of Ribeira Grande)は、カーボベルデのサンティアゴ島に位置する旧市街であり、2009年にユネスコの世界遺産に登録されました。この都市は、アフリカ大陸沿岸で最初にヨーロッパ人によって建設された植民都市であり、大航海時代の重要な交易拠点として発展しました。その歴史的価値と遺産の保存状況から、現在もカーボベルデの歴史と文化を伝える貴重な場所となっています。
旧市街の歴史と発展
シダーデ・ヴェーリャ(「古い町」の意味)は、1462年にポルトガル人によって設立されました。当初は「リベイラ・グランデ」と呼ばれ、ポルトガル帝国の重要な拠点として機能しました。カーボベルデは、大西洋を横断する交易ルートの中心に位置し、特にアフリカ大陸からヨーロッパ、アメリカへ向かう奴隷貿易の要所として利用されました。この都市は、航海者や商人が集まる場所であり、ポルトガルの影響を受けた建築や都市構造が特徴です。
16世紀から17世紀にかけて、シダーデ・ヴェーリャは繁栄の絶頂期を迎え、カーボベルデの経済的・政治的な中心地となりました。しかし、海賊による襲撃や貿易ルートの変化により、都市の重要性は次第に低下し、18世紀には首都機能がプライアに移されました。現在は、カーボベルデの歴史を伝える遺構が数多く残る旧市街として、保存・修復が進められています。
主要な建築物と遺構
シダーデ・ヴェーリャの旧市街には、ポルトガル植民地時代の影響を色濃く残す建築物や歴史的な遺構が多数存在します。特に以下の施設が重要な歴史的価値を持っています。
- 王の要塞(Fortaleza Real de São Filipe)
1587年に建設された防衛要塞で、海からの侵略を防ぐ役割を果たしました。要塞からは町と海の壮麗な景色を望むことができ、都市の戦略的重要性を示す遺構として保存されています。 - ペロ・デ・ヴェルゴ(Pelourinho)
16世紀に設置された石柱であり、植民地時代の司法制度の象徴とされました。奴隷貿易の歴史を物語る遺構として、現在も街の中心部に立っています。 - ノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会(Church of Nossa Senhora do Rosário)
西アフリカに現存する最古の教会のひとつであり、15世紀に建設されました。ゴシック様式の影響を受けた建築で、植民地時代の宗教的な中心地として機能しました。 - リベイラ・グランデの旧市街の街並み
細い石畳の道と、ポルトガル植民地時代の建築が特徴的な街並みが広がっています。歴史ある建物が並ぶこの旧市街は、カーボベルデの文化と伝統を今に伝える重要な地域です。
旧市街の保存と現代の価値
シダーデ・ヴェーリャの旧市街は、大航海時代の歴史を物語る重要な文化遺産として評価されており、現在も修復活動が進められています。ユネスコの世界遺産登録により、都市の歴史的景観の保護が強化され、観光地としての魅力がさらに高まりました。また、地域社会との協力による文化的な継承活動が進められ、歴史を次世代に伝える取り組みがなされています。
シダーデ・ヴェーリャの旧市街を訪れることで、カーボベルデの航海史や植民地時代の遺産を直接体験できるでしょう。町の遺構や教会、要塞を巡りながら、過去の商業活動や文化交流の痕跡を感じることができます。今もなお、この旧市街はカーボベルデの歴史とアイデンティティを象徴する貴重な遺産として、その価値を世界に伝え続けています。

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