| 国 | アルゼンチン共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1999年 |
| 登録基準 | (ⅲ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻365p |
| 英文タイトル | Cueva de las Manos, Río Pinturas |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノスとは
先史時代の手形を残す洞窟
ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノス(Cueva de las Manos, Río Pinturas)は、アルゼンチン南部のサンタ・クルス州に位置する先史時代の岩絵遺跡であり、1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。この遺跡は、約9,000年前から存在し、特に手形の壁画が印象的であり、古代の狩猟採集民の生活や信仰を反映する貴重な証拠となっています。南米における先史時代の岩絵の中でも特に保存状態が良く、考古学的に重要な遺跡とされています。
歴史と文化的背景
ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノスは、紀元前7,000年頃から紀元前1,000年頃までの間に、複数の狩猟採集民族によって利用されていたと考えられています。この遺跡には、主にグアナコ(リャマの仲間)の狩猟を行っていた古代民族が、狩猟の成功を祈願する目的で描いたとされる壁画が多数残されています。手形の壁画は、吹き付け技法によって描かれており、赤、黒、白、黄色などの天然顔料が使用されています。
主要な遺跡と特徴
この遺跡には、古代の人々が残した多様な岩絵が確認されており、それぞれ異なる意味を持つと考えられています。
- 手形の壁画
最も有名な壁画であり、大小さまざまな手の形が岩壁に刻まれています。多くは左手の形が見られ、顔料を吹き付けることで描かれました。 - 狩猟の場面
グアナコを狩る様子が描かれており、当時の狩猟採集生活の様子を知る貴重な証拠となっています。 - 幾何学模様
複雑な模様や抽象的なデザインがあり、宗教的な儀式や象徴的な意味を持つ可能性があります。
宗教と社会構造
壁画の多くは、儀式的な目的で描かれたと考えられており、狩猟の成功を祈願するための祭祀が行われていた可能性があります。また、集団としてのアイデンティティを表現するために手形が描かれたとも考えられています。これらの岩絵は、古代の精神文化や信仰体系を理解する重要な手がかりとなっています。
遺産の保存と現代の価値
ユネスコの世界遺産登録後、ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノスでは考古学的調査や保存活動が進められています。しかし、気候変動や観光による影響が懸念されており、持続可能な保護活動が求められています。アルゼンチン政府と考古学者が協力しながら、遺跡の維持管理を進めています。
ピントゥラス川のクエバ・デ・ラス・マノスを訪れることで、古代の狩猟採集民族の生活や芸術を学び、南米先史時代の文化の奥深さを体験することができます。この地域は、未来の世代へ向けて貴重な文化遺産として、その価値を伝え続けています。

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