| 国 | カナダ |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2012年 |
| 登録基準 | (ⅴ)(ⅵ) |
| その他の区分 | 文化的景観 |
| 公式テキストページ | 中巻375p |
| 英文タイトル | Landscape of Grand Pré |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
グラン・プレの景観とは
フランス系入植者が開拓した農耕地
グラン・プレの景観(Landscape of Grand Pré)は、カナダのノバスコシア州に位置する歴史的に重要な文化的景観であり、2012年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、17世紀にフランス系移民であるアカディアン(Acadians)によって開拓され、独自の農業技術による肥沃な土地を築きました。しかし、18世紀のグレート・アップルージョン(アカディアンの強制移住)によって、住民は土地を追われ、カナダの歴史に深い影を落としました。
歴史と文化的背景
グラン・プレは、1680年代にフランス系移民が定住し、干拓農業を用いた土地開発を進めました。この技術により、潮汐の影響を受ける土地を農地として活用できるようになり、農業社会が形成されました。しかし、1755年から1763年にかけて、イギリス軍によるアカディアン追放が実施され、住民は強制的に別の地域へ移住させられました。
この悲劇は、カナダの歴史における重要な出来事となり、後に詩人ヘンリー・ワズワース・ロングフェローがこの地を題材とした叙事詩『エヴァンジェリン』を発表し、アカディアン文化の象徴として知られるようになりました。
主要な遺構と景観
グラン・プレには、アカディアン文化を象徴する景観と歴史的建造物が多数残されています。
- グラン・プレ国立歴史公園(Grand Pré National Historic Site)
アカディアンの歴史を伝える博物館や記念碑が設置されており、強制移住の歴史が学べます。 - 干拓農地
アカディアンによる潮汐を利用した農業の仕組みが現在も残されており、地域の文化的遺産の一部となっています。 - エヴァンジェリン記念碑
ロングフェローの詩にちなんで作られた記念碑であり、アカディアンの悲劇を象徴しています。 - 広大な田園風景
平坦な土地に広がる豊かな農地が特徴的であり、現在も農業が営まれています。
文化と伝統
グラン・プレは現在もアカディアン文化を継承する地域として知られ、毎年開催されるアカディアン・フェスティバルでは、伝統音楽や舞踏が披露されます。また、地域の食文化にはフランス系移民の影響が強く、海産物や農産物を活かした料理が楽しめます。
遺産の保存と現代の価値
ユネスコの世界遺産登録後、グラン・プレでは遺跡保護活動が進められています。カナダ政府や地域コミュニティが協力しながら、遺跡の維持管理と観光資源の活用を両立させる取り組みを行っています。
グラン・プレの景観を訪れることで、アカディアンの歴史や文化を学びながら、広大な田園風景を楽しむことができます。この地域は、未来の世代へ向けて貴重な文化遺産として、その価値を伝え続けています。

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