| 国 | メキシコ合衆国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2015年 |
| 登録基準 | (ⅰ)(ⅱ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻406p |
| 英文タイトル | Aqueduct of Padre Tembleque , Hydraulic System |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
パドレ・テンブレケ水利施設の水道橋とは
植民地時代に修道士が築いた水利システム
パドレ・テンブレケ水利施設の水道橋(Aqueduct of Padre Tembleque Hydraulic System)は、メキシコのメヒコ州とイダルゴ州にまたがる16世紀の水道橋であり、2015年にユネスコの世界遺産に登録されました。この水道橋は、ヨーロッパの水利技術とメソアメリカの伝統的な建築技術が融合した傑作として評価されています。
歴史的背景
パドレ・テンブレケ水道橋は、フランシスコ会の修道士であるフランシスコ・デ・テンブレケによって設計され、1555年から1572年にかけて建設されました。スペイン植民地時代のメキシコでは、都市の発展に伴い安定した水供給が求められていました。この水道橋は、地域の住民の協力を得ながら建設され、ヨーロッパの水利技術と先住民の建築技術を融合させた革新的な構造となっています。
構造と特徴
パドレ・テンブレケ水道橋の総延長は約48kmに及び、水源地域、地下水路、貯水施設、アーチ型の水道橋などの複数の要素で構成されています。特に、テペヤワルコ峡谷に架かる水道橋は高さ約40mに達し、単層構造の水道橋としては世界最高の高さを誇ります。
建設には、アドベ(日干しレンガ)が使用されており、これはメソアメリカの伝統的な建築技術のひとつです。さらに、ローマ時代から発展してきた水利工学の知識が取り入れられ、スペインのアンダルシア地方の水圧管理技術とも結びついています。
文化的価値と遺産保護
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システムは、ヨーロッパとメソアメリカの技術交流の象徴であり、植民地時代の水利施設の中でも特に優れた例とされています。建設に関わった地元住民の伝統的な労働組織や技術が反映されており、単なる水道橋ではなく、地域社会の協力によって築かれた公共施設としての側面も持っています。
ユネスコの世界遺産登録後、メキシコ政府や地域コミュニティによる保護活動が進められています。水道橋の保存と修復が行われる一方で、観光資源としての活用も進められています。
現代における意義
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システムは、持続可能な水管理の歴史的なモデルとしても注目されています。16世紀に築かれたこの水道橋は、現在もその構造を維持しており、過去の技術がいかに優れていたかを示す貴重な遺産です。
この水道橋を訪れることで、スペイン植民地時代の水利技術とメソアメリカの建築技術の融合を学びながら、歴史的な景観を楽しむことができます。未来の世代へ向けて、その価値を伝え続けるべき文化遺産として、今後も保護と活用が進められていくでしょう。

コメント