ブライアン・グラトウィック, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
| 国 | アイスランド共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2008年 |
| 登録基準 | (ⅸ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 下巻436p |
| 英文タイトル | Surtsey |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
スルツェイ火山島とは
自然環境の変遷を観察できる新しい島
スルツェイ島は、アイスランド南部の沖合約32kmに位置する火山島であり、1963年から1967年にかけての海底噴火によって誕生しました。2008年にユネスコの世界遺産に登録され、人間の影響を受けない自然の進化を観察できる貴重な地質学的・生態学的遺産として高く評価されています。
地理と形成の歴史
スルツェイ島は、北大西洋中央海嶺の活動によって形成された火山島であり、誕生直後から科学者による詳細な観察が続けられています。
- 火山活動による誕生
1963年11月14日、海底約130メートルの地点で噴火が始まり、溶岩と火山灰が積み重なって島が形成されました。噴火は1967年6月まで続き、最大面積2.7平方キロメートルに達しましたが、その後の波の侵食により縮小し、現在は約1.3平方キロメートルの広さを保っています。 - 地質学的価値
スルツェイ島は、火山活動による新しい陸地の形成過程を研究する上で極めて重要な場所であり、地球の地質学的進化を理解するための貴重な証拠を提供しています。
生態系の発展
スルツェイ島は、誕生以来、人間の干渉を受けずに自然のままの状態で生態系が発展しているため、科学者にとって「自然の実験室」としての価値を持っています。
- 植物の定着
1965年に最初の維管束植物が確認され、その後10年間で10種が定着しました。2004年には60種の植物が確認され、コケ類や地衣類、菌類も増加しています。 - 動物の進出
島には89種の鳥類が記録されており、そのうち57種はアイスランド本土でも繁殖しています。また、335種の無脊椎動物が生息し、海洋生態系との関係も研究されています。
文化的価値と遺産保護
スルツェイ島は、人間の影響を受けない自然の進化を観察できる貴重な場所として、世界的に認識されています。
ユネスコの世界遺産登録後、アイスランド政府による厳格な保護が続けられています。特に、外来種の侵入を防ぐため、島への立ち入りは科学者のみに制限されており、観光客の訪問は禁止されています。
現代における意義
スルツェイ島は、地球の地質学的変化と生態系の進化を学ぶ場として、世界的に注目されています。特に、気候変動の影響や、持続可能な環境保護の重要性を理解する上で重要な拠点となっています。
この遺産を訪れることはできませんが、アイスランドの壮大な自然景観と地質学的な価値を知ることで、地球環境の未来について考える機会を得ることができます。未来の世代へ向けて、その価値を伝え続けるべき自然遺産として、今後も保護と活用が進められていくでしょう。

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