世界遺産という言葉を耳にすると、壮大な遺跡や息をのむような自然が思い浮かぶかもしれません。
その裏側には、人類共通の宝を守るための国際的な努力があります。その中心的な役割を果たすのが、毎年夏に開催される「世界遺産委員会」ですが、実はその委員会の意思決定を支える重要な会議が存在します。
それが「ビューロー会議」です。
ビューロー会議とは?

ビューロー(Bureau)とは、英語で「事務局」や「執行部」といった意味を持ちます。世界遺産におけるビューロー会議は、正式には「世界遺産委員会のビューロー会議」と呼ばれ、世界遺産委員会の議長団を構成する少数のメンバーによって行われる会議です。
世界遺産委員会は2025年現在、21カ国の締約国で構成されていますが、ビューロー会議のメンバーは、その中から選出された議長1名、副議長5名、そして報告者1名の計7名で構成されます。これらのメンバーは、各地域グループ(アフリカ、アラブ諸国、アジア太平洋、東欧、ラテンアメリカ・カリブ、西欧その他)からバランスよく選出されます。

ビューロー会議は、世界遺産委員会の事務的な準備や緊急時の対応、そして委員会の意思決定を円滑に進めるための重要な役割を担っています。具体的には、以下のような役割があります。
世界遺産委員会の準備と運営
- 委員会の議題の最終調整を行います。どの案件を優先的に議論するか、どの情報を追加で要求するかなどを決定します。
- 委員会の会期中のロジスティクスや、議事進行に関する調整を行います。
緊急案件への対応:緊急案件への対応
- 世界遺産に差し迫った危機が発生した場合、例えば自然災害や紛争などによって遺跡が破壊される恐れがある場合などに、迅速な対応を検討します。
- このような緊急事態においては、委員会全体を招集する時間がないため、ビューローが暫定的な決定を下す権限を持つことがあります。この決定は、その後の委員会で承認されることになります。
諮問機関との調整
- イコモス(ICOMOS:国際記念物遺跡会議)、IUCN(国際自然保護連合)、ICCROM(イクロム:文化財保存修復研究国際センター)といった世界遺産を評価・監視する専門家機関(諮問機関)からの報告書を事前に検討し、委員会での審議に備えます。
委員会の決定事項の実施監視
- 過去の世界遺産委員会で決定された事項が、各締約国や関係機関によって適切に実施されているかを監視し、必要に応じて対応を検討します。
その重要性
ビューロー会議は、世界遺産委員会の効率的な運営と、突発的な事態への迅速な対応を可能にするための「司令塔」のような役割を担っています。限られた人数の熟練したメンバーが集まることで、専門的な知見に基づいた迅速な判断が可能となり、世界遺産の保護という緊急性の高い課題に対して柔軟に対応できるのです。
私たちが目にする世界遺産リストの更新や、危機に瀕した遺産への支援の裏には、こうしたビューロー会議における地道ながらも極めて重要な議論と決定が積み重ねられていることを知っておくと、世界遺産への理解がより一層深まるでしょう。
動画で覚える
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名称や概要がまだぼんやりしている方はショート動画、さらに詳しく理解を深めたい方は横動画を活用していただけると幸いです。
まだまだ本数が少ないですが、頑張って随時更新しております!
ショート動画なので全ての情報を紹介しているわけではありませんが、テキストの重要箇所を意識して作成しております。
コンセプトは覚えやすいように、ということを意識してます。
使い方はまずテキストをある程度読み込んだら、復習で動画を見ることで、よりイメージが出来たり知識として定着させることを狙っています。

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