第47回世界遺産委員会で韓国は日本に対して何を主張していたのか?

第47回世界遺産委員会で、日本と韓国が「軍艦島(端島)」を含む「明治日本の産業革命遺産」の扱いを巡って対立しました。この問題は、2015年にこの遺産が世界遺産に登録される際に、日本が韓国に対して行った「約束」の履行状況が焦点となっています。

目次

対立の要点

1.問題の対象:「明治日本の産業革命遺産」と「強制労働」

  • 軍艦島(端島炭坑)は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つです。
  • 韓国は、この遺産の一部、特に軍艦島などで、太平洋戦争中に朝鮮半島出身者が「強制労働」させられたと主張しています。

2.2015年の世界遺産登録時の「約束」

  • 2015年に「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録される際、日本はユネスコ世界遺産委員会で、「1940年代に一部の施設で、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた(forced to work)朝鮮半島出身者がいた」と認め、「犠牲者を記憶にとどめるための措置」をとることを表明しました。
  • この「措置」の一つとして、日本は「産業遺産情報センター」を設置し、関連する歴史を展示することになっています。

3.韓国の主張:約束の不履行

  • 韓国は、日本が設置した「産業遺産情報センター」での展示が、上記の「約束」を十分に履行していないと主張しています。具体的には、強制労働の事実や朝鮮人強制動員被害者の証言が十分に反映されていない、むしろ日本の主張に偏った内容になっている、と批判しています。
  • そのため、今回の第47回世界遺産委員会で、日本による約束の履行状況をユネスコが再点検するよう、議題に含めることを求めました。

4.日本の主張:二国間協議の必要性

  • 日本は、この問題はユネスコの世界遺産委員会の場で議論するべきものではなく、日本と韓国の間で二国間協議を通じて解決すべき問題であると主張しました。
  • そして、韓国が提案した案件を削除する「修正案」を提出しました。

5.投票の結果と今後の影響

  • 委員会では、韓国の提案を正式議題とするか否かの投票が行われました。結果は、日本の修正案が賛成多数で可決され、韓国の提案は否決されました。
  • これにより、軍艦島に関連する問題が今回の委員会で正式に議論されることはなくなり、今後のユネスコレベルでの議論も難しくなるのではないか、という懸念が韓国側から出ています。

まとめると

日本と韓国の対立は、「軍艦島などにおける過去の強制労働の歴史を、世界遺産としてどのように記憶し伝えるか」という点にあります。

韓国は日本が約束を守っていないと批判し、ユネスコでの再点検を求めましたが、日本は二国間での協議を主張し、結果的に日本の主張が通る形で、今回はユネスコ委員会での議題化が見送られました。

この問題は、日韓間の歴史認識のずれを象徴するものであり、今後も両国間の外交課題として続くものと見られます。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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