| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2012年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻44p |
| 英文タイトル | Site of Xanadu |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
広大なモンゴル高原の南部に、かつて世界の中心として輝いた幻の都がありました。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されている「元の上都遺跡」です。西洋では「ザナドゥ(Xanadu)」の名で伝説的な都市として知られ、マルコ・ポーロの『東方見聞録』にも記されたこの地は、遊牧文化と農耕文化が融合した、他に類を見ないユニークな都でした。
チンギス・ハンの孫が築いた夏の都
上都は、モンゴル帝国(後の元)を建国したフビライ・ハンが、1256年に築いた最初の首都「開平府」が前身です。フビライが中国を統一し、大都(現在の北京)に遷都した後も、上都は歴代皇帝が夏を過ごす「夏の都」として重要な役割を担いました。
この都は、モンビルの遊牧文化と、中国の伝統的な風水理論に基づいた都市計画が融合した、極めて珍しい形をしています。正方形に近い三重の城壁で囲まれ、宮殿や寺院、そして遊牧民のゲル(移動式住居)が混在する、まさに東西文化の交差点でした。
見どころハイライト:広大な草原に眠る歴史の跡
現在、元の上都遺跡は広大な草原の中に城壁や建物の基礎部分が残るのみですが、その規模の大きさは今なお圧倒的です。
宮城跡
都の中心部に位置し、かつて皇帝が執務を行い、暮らしていた宮殿の跡です。基壇が残るのみですが、ここに立てば、当時の壮大な宮殿を想像せずにはいられません。
内城・外城の城壁跡
三重に築かれた城壁は、上都が防御の要でもあったことを示しています。特に外城は広大な市街地を囲んでおり、その規模の大きさに驚かされます。一部では版築(土を突き固めて作る)の城壁の跡も見て取れます。
高麗博物館(旧成均館)
高麗時代の最高教育機関であった成均館を利用した博物館です。元の上都時代の貴重な遺物、特に高麗青磁などが展示されており、当時の文化や交流について学ぶことができます。
金蓮川草原
遺跡全体が広大な金蓮川草原の中に位置しており、特に夏には美しいキンレンカ(トウキンバイソウ)が咲き乱れ、壮大な自然景観と歴史的遺産が織りなす独特の風景を楽しむことができます。地平線まで広がる草原の中に立つと、遠い昔の遊牧民の生活を肌で感じられるでしょう。
幻の都「ザナドゥ」に思いを馳せて
元の上都は、マルコ・ポーロによって西洋に伝えられたことで「ザナドゥ」として伝説化され、詩や文学作品にも影響を与えました。しかし、元の滅亡後、上都は破壊され、その輝かしい歴史は土の中に埋もれていきました。
現在の遺跡は、当時の栄華を直接見られるわけではありませんが、広大な草原の中に残された城壁や基壇は、静かに、しかし雄弁にその歴史を語りかけてきます。遊牧と農耕、東洋と西洋の文化が交錯し、一時期世界の中心であったこの場所で、かつての栄華に思いを馳せてみませんか?
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