砂漠に消えた幻の都:トルクメニスタン「国立歴史文化公園“メルヴ”」

メルヴ
トルクメニスタン
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1999年
登録基準(ⅱ)(ⅲ)
その他の区分
公式テキストページ中巻63p
英文タイトルState Historical and Cultural Park “Ancient Merv”

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

広大なカラクム砂漠の中に、かつて世界の中心として栄華を極めた幻の都市の跡があります。それが、ユネスコ世界遺産にも登録されている「国立歴史文化公園“メルヴ”」です。紀元前6世紀から18世紀にかけて、シルク・ロードの重要な中継地点として、文化、学術、そして交易の中心地として繁栄を極めました。ここは、異なる時代に築かれた複数の都市が重なり合う、まるで歴史の地層のような場所です。

目次

東西の文明が交錯した「世界の女王」

メルヴは、紀元前のアケメネス朝時代から、セルジューク朝時代にかけて、ペルシア、ギリシャ、イスラムといった様々な文明の支配下で発展を遂げました。特に、11世紀から12世紀にかけてのセルジューク朝時代には、首都として「世界の女王」と称されるほどの繁栄を誇り、人口は当時のコンスタンティノープルやカイロを凌ぐほどだったと言われています。

しかし、13世紀にモンゴル帝国のチンギス・ハンの侵攻を受け、都市は壊滅的な被害を被りました。その後も再建が試みられましたが、18世紀に滅亡し、やがて砂漠の中に忘れ去られていきました。このため、メルヴの遺跡は、当時の都市の姿を比較的よく残しているのです。

見どころハイライト:歴史の地層を歩く

メルヴの遺跡は、広大な範囲に点在しており、それぞれの時代に築かれた都市の跡を見ることができます。

スルタン・サンジャル廟(Sultan Sanjar Mausoleum)

セルジューク朝最盛期のスルタン、サンジャルの廟は、メルヴの象徴的な建物です。12世紀に建設されたこの廟は、二重ドームの構造を持つ、イスラム建築の傑作です。外部はレンガ造りの素朴な美しさですが、かつては内部が豪華な装飾で彩られていました。

キズ・カラ(Kyz Kala)

「乙女の城」を意味する、メルヴで最もユニークな建築物の一つです。紀元前後のゾロアスター教の時代に築かれたとされ、その波打つような外壁の造形は、見る者を惹きつけます。

大キズ・カラと小キズ・カラ

メルヴには、この独特の波打つ外壁を持つ建造物が複数存在します。それぞれ「大キズ・カラ」と「小キズ・カラ」と呼ばれ、その堅牢な造りから、要塞や貴族の住居として使われたと考えられています。

エーク・ガラ(Erk Gala)

メルヴで最も古い都市の跡で、紀元前6世紀のアケメネス朝時代に築かれた要塞跡です。巨大な土の城壁が残っており、その規模の大きさに圧倒されます。

ユースフ・ハマダーニ廟(Yusuf Hamadani Mausoleum)

12世紀の有名なスーフィー(イスラム神秘主義者)、ユースフ・ハマダーニを祀る廟です。現在も巡礼地として信仰を集めており、メルヴの遺跡が持つ宗教的な重要性を示しています。

メルヴ観光のヒント

アクセス: トルクメニスタンの首都アシガバードから、飛行機でマリーまで行き、そこから車でメルヴへ向かうのが一般的です。トルクメニスタンはビザの取得に制約があるため、多くの場合、現地旅行会社が企画するツアーに参加することになります。

ベストシーズン: 春(4月~6月)か秋(9月~10月)が、気候が穏やかで観光に適しています。夏は非常に暑く、冬は寒くなります。

時間: 広大な遺跡が点在しているため、移動には車が必要となります。じっくりと見て回るなら半日から1日を確保するのが良いでしょう。

国立歴史文化公園“メルヴ”は、シルク・ロードの歴史、そして中央アジアの壮大な歴史を肌で感じられる、特別な場所です。砂漠の中に静かに佇む遺跡を巡りながら、かつての「世界の女王」の栄華に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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