シルク・ロード:長安-天山回廊の交易網

ダン・ランドバーグ, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2014
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅴ)(ⅵ)
その他の区分
公式テキストページ中巻56p
英文タイトルSilk Roads: the Routes Network of Chang’an-Tianshan Corridor

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

シルク・ロード:長安-天山回廊の交易網とは

ユーラシア大陸の文明・文化を結びつけた交易路

「シルク・ロード:長安-天山回廊の交易網」は、中国の古都・長安(現在の西安)を起点とし、天山山脈の南北を通過して中央アジアへと至る一連の交易路の総称であり、2014年に中国、カザフスタン、キルギスの三か国によって共同推薦され、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。この回廊は紀元前2世紀に漢の武帝が西域との交流を開始して以降、東西交易の主幹線の一つとして機能し、1,500年以上にわたってユーラシア内陸部の文明交流を支えてきました。

この交易網は、物資の往来にとどまらず、宗教、芸術、技術、思想の伝播においても極めて重要な役割を果たしました。東方からは絹や陶磁器、紙が、西方からはガラス製品や香料、金属製品などが運ばれたほか、仏教やイスラム教、マニ教、キリスト教の一派であるネストリウス派などの宗教も、このルートを通じて伝来しました。これにより、交易都市では多様な信仰が共存し、建築や美術にもその影響が色濃く現れています。

遺産に登録された33件の構成資産には、長安やロプノール湖畔の遺跡、キジル石窟などの宗教施設、クチャやスバシなどの古代都市、さらにキャラバンサライや関所、軍事施設といった交易と移動を支えたインフラが含まれています。これらの遺跡は、シルクロードを通じて生じた人と物の移動、その背後にある政治的、経済的、文化的なネットワークの実態を今日に伝える貴重な証拠となっています。

天山山脈という地理的障壁を越えるルートに築かれたこれらの施設は、当時の人々の知恵と忍耐、そして国家間の協力体制を物語っています。また、都市や宗教施設の配置には、自然環境への適応と共に、交流の要衝としての地政学的な判断が反映されており、これもまたシルクロードの歴史的意義を際立たせる要素の一つです。

長安-天山回廊の交易網は、ユーラシアの諸文明が互いに接触し、共鳴し合う舞台であり続けたことを示す壮大な遺産です。多様性と交流を重んじる現代においても、その歴史的価値は普遍的な意味を持ち続けています。

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