| 国 | ベトナム社会主義共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1999年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻68p |
| 英文タイトル | Hoi An Ancient Town |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
古都ホイアンとは
多様な文化を取り込んだ古い街並みが残る港町
古都ホイアンは、ベトナム中部クアンナム省に位置する歴史都市であり、16世紀から19世紀にかけて国際貿易港として繁栄したことで知られております。トゥボン川の河口に築かれたこの都市は、東南アジア、東アジア、南アジア、そして欧州の商人たちが往来する交易の拠点として栄え、多様な文化や建築様式が融合した独自の都市景観を形成してきました。1999年には、その歴史的・文化的価値が評価され、「ホイアンの古い町並み」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
ホイアンの都市構造は、碁盤の目状に整備された通りと運河に沿って形成されており、港町としての機能性と美しさを兼ね備えています。特に保存状態の良い伝統的木造家屋や商家は、17世紀から18世紀にかけての中国、日本、ベトナムの建築要素を融合させたもので、異文化交流の痕跡が色濃く残されております。なかでも有名な「日本橋(来遠橋)」は、17世紀に日本人町の住民によって建てられた屋根付きの橋で、日本文化の影響を象徴する存在です。
また、ホイアンには中国の福建会館や潮州会館など、華僑によって建設された集会所も多数残っており、中国南部の宗教的建築様式が町の中に根付いております。これらの会館は商人の結束を支える拠点であり、宗教儀式や共同体の行事に用いられてきました。さらに、フランス植民地時代に建てられたコロニアル様式の建物も加わり、街の景観には時間を超えた多様な文化層が重なっています。
ホイアンの歴史は単に建築物にとどまらず、住民たちの生活や祭事、工芸技術にも色濃く反映されています。伝統的なランタン作りや、絹織物、木彫などの手工芸は、今なお地域経済と文化の重要な柱であり、訪れる人々にこの地の誇るべき歴史と精神を伝えております。また、ホイアンでは毎月満月の夜に「ランタン祭り」が開かれ、街全体が幻想的な光に包まれることで、かつての繁栄を象徴するような賑わいが再現されます。
このように、古都ホイアンは交易を通じて育まれた多文化的都市であり、その調和の取れた都市計画と歴史的建造物群、地域住民による伝統の継承は、東南アジアの海洋交易史における重要な一章を物語っております。現代においても、ホイアンは過去と現在をつなぐ生きた文化遺産として、世界中の人々に大きな感動と学びを提供しています。

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