| 国 | イエメン共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1982年/2015年危機遺産登録 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ)(ⅴ) |
| その他の区分 | 危機遺産 |
| 公式テキストページ | 中巻90p |
| 英文タイトル | Old Walled City of Shibam |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
城壁都市シバームとは
垂直に伸びた砂漠の城壁都市
城壁都市シバームは、イエメンの砂漠地帯に位置する歴史的な都市で、世界遺産にも登録されています。この都市は、古代から続く貴重な建築技術と独自の都市計画が特徴であり、特にその城壁に囲まれた古代の街並みと、土を使った高層建築が見どころです。シバームは、アラビア半島の伝統的な都市文化を今に伝える貴重な例として、世界的に注目されています。
シバームは、紀元前1000年ごろから都市として栄え、その後、イエメンの歴史の中で重要な役割を果たしてきました。特に、シバームが注目されるのは、乾燥した環境の中で発展した独特の都市計画と、土を主な建材とした高層建築群にあります。シバームの建物は、サンゴ礁と呼ばれる地域で採れる特別な土を使って作られており、この土の建材は建物に耐久性を与え、砂漠の過酷な気候にも対応できるようになっています。
シバームの都市構造は、城壁で囲まれた計画的な街並みが特徴的です。街は、直線的な通りと広場を中心に構築され、家々が立ち並ぶ中で効率的な生活が営まれてきました。特に印象的なのは、シバームの建物群で、多くの建物は、5階建て以上の高さを誇り、世界で最も古い高層建築群として知られています。これらの建物は、土と乾燥した植物を使った伝統的な建築技術で建てられており、地域特有の「タウィラ」と呼ばれる四角形の塔のような形をしています。
シバームの都市は、非常に独特であり、砂漠地帯における建築と都市計画の成功例として評価されています。高層建築は、日中の厳しい熱を避けるために、上層に住む住民にとって重要な役割を果たしており、空気の流れを利用した涼しい住環境が作られています。また、シバームの建物は、一般的な砂漠の都市に見られるような、乾燥に強い土の壁で構成されており、これにより、暑い夏の間でも室内の温度が快適に保たれています。
シバームの街並みは、伝統的なアラビアの都市文化を強く反映しており、都市生活と自然環境がうまく調和しています。都市内には多くのモスクや市場も存在しており、これらの建物は、地域の宗教的、商業的、そして社会的な中心地としての役割を果たしてきました。シバームの文化的景観は、建築と生活様式の一体感が際立っており、訪れる者に歴史と現代の共存を感じさせる空間を提供しています。
さらに、シバームはその位置にも特別な意味を持っています。シバームは、古代のサバ王国の商業ルートの一部として栄え、そのため、古代の交易活動や文化交流の中心地として重要でした。シバームは砂漠の中でもオアシスに近く、古代の交易商人にとっても戦略的な重要性を持つ都市でした。この地域の文化と歴史は、シバームに長い間人々を引き寄せ、その遺産を今に伝えています。
今日、シバームはその独特の歴史と建築的価値を保ちながらも、急速に進行する砂漠化や気候変動の影響を受けています。都市の保存と復元活動は非常に重要な課題となっており、地域社会や国際的な支援を受けて、その遺産の保護が行われています。
シバームは、イエメンの他の地域と同様に、厳しい環境下での人々の知恵と努力を象徴する場所であり、その価値は世界遺産として評価されています。この歴史的な都市は、未来にわたって、世界の文化遺産としてその魅力を発信し続けることでしょう。

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