タージ・マハル

タージ・マハル
インド
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1983年
登録基準(ⅰ)
その他の区分
公式テキストページ中巻114p
英文タイトルTaj Mahal

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

タージ・マハルとは

インド・イスラム建築を代表する霊廟建築

タージ・マハルは、インド北部ウッタル・プラデーシュ州アーグラに位置する、ムガル帝国時代を代表する霊廟建築です。白大理石の優美な外観と精緻な装飾は、世界的にも高い評価を受けており、イスラム建築の粋を示すものとして名高い存在です。愛と美の象徴として知られるこの建築は、ユネスコにより1983年に世界文化遺産に登録されました。

建設は第5代ムガル皇帝シャー・ジャハーンによって命じられ、1632年からおよそ20年をかけて完成したとされています。霊廟は皇帝が最愛の妃ムムターズ・マハルの死を悼んで建立したもので、彼女は14人目の子の出産中に命を落としました。このような背景から、タージ・マハルは単なる建築物にとどまらず、深い愛情と悲しみが込められた記念碑的存在として位置付けられています。

タージ・マハルの構造は、中央の大ドームを持つ霊廟建築を中心に、シンメトリー(左右対称)を重視した配置となっており、四隅には細長いミナレット(尖塔)が立ち並び、建物全体に調和と均衡が感じられます。素材として用いられた白大理石は、昼夜の光の変化や天候によってその色調が微妙に変化し、訪れる者に幻想的な印象を与えます。

霊廟の内部には、シャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの象徴的な石棺が安置されており、実際の遺体は地下の墓室に葬られています。室内は繊細な透かし彫りの大理石や、半貴石を用いた象嵌装飾によって彩られ、静謐で荘厳な空間が広がっています。また、周囲にはモスクや迎賓館、広大なムガル式庭園が整備されており、霊廟とともに一体的な宗教的・審美的空間を形成しています。

この建築においては、ペルシャ、中央アジア、インド固有の様式が融合しており、ムガル建築の集大成とも言える完成度を誇ります。幾何学模様、カリグラフィー(アラビア語の書)、植物文様の装飾は、イスラム芸術の精神性を映し出すものであり、同時に卓越した技術力と美的感覚を示しています。

時を経てもなお、タージ・マハルはインド文化の象徴として世界中からの訪問者を魅了し続けています。その背景にある物語、建築としての完成度、文化的意義のいずれをとっても、比類のない価値を持つ遺産であり、後世に受け継がれるべき人類共通の財産であると言えるでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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