| 国 | アルジェリア民主人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1992年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻271p |
| 英文タイトル | Kasbah of Algiers |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
アルジェの旧市街カスバとは
オスマン海賊たちの迷宮要塞
アルジェのカスバ(Kasbah of Algiers)は、アルジェリアの首都アルジェに位置する歴史的地区であり、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。このカスバは、オスマン帝国時代の都市構造を色濃く残し、イスラム建築と地中海文化が融合した独特の景観を持つことで知られています。
歴史と発展
アルジェのカスバは、10世紀頃に都市として形成され、16世紀にオスマン帝国の支配下で大きく発展しました。特に、1530年代にオスマン帝国の海軍将軍「バルバロス・ハイレッディン」によって軍事要塞として強化され、アルジェは地中海交易の重要な拠点となりました。オスマン帝国時代には、カスバは行政・商業の中心として機能し、多くの壮麗な宮殿やモスクが建設されました。
しかし、1830年のフランスによるアルジェリア征服後、カスバの一部は破壊され、その都市構造にも大きな影響を受けました。それでも、多くの歴史的建築物が現在も残っており、カスバの街並みはアルジェリアの歴史的アイデンティティを象徴しています。
建築と都市構造
カスバは、急な丘陵地に広がる迷路のような街路で構成され、イスラム都市特有の密集した建物群が特徴です。伝統的な住居は「ドール(Dar)」と呼ばれる中庭を持つ住宅様式で、白い石や漆喰で覆われた外壁が強い日差しを和らげる役割を果たしています。
主要な建築物として、以下のような重要な遺構があります。
- ケチャウア・モスク(Ketchaoua Mosque)
オスマン帝国時代の最も象徴的なモスクのひとつであり、フランス植民地時代にはカテドラルとして改修されましたが、現在はモスクとしての機能を回復しています。 - ダル・ハッサン・パシャ宮殿(Dar Hassan Pacha Palace)
18世紀に建設されたオスマン帝国時代の総督の宮殿で、美しい装飾やアーチが特徴的な建築物です。 - カスバ要塞(Kasbah Fortress)
海に面した防衛施設であり、オスマン帝国の軍事拠点として重要な役割を果たしていました。
現在のカスバと文化的価値
現在もカスバには多くの住民が暮らしており、伝統的な生活様式を維持しながら、文化遺産としての価値を伝え続けています。一方で、都市化や環境問題の影響により、建造物の保存が課題となっています。近年では、ユネスコの支援のもとで保護活動が進められ、伝統的な建築技術を活かした修復が行われています。
アルジェのカスバは、アルジェリアのイスラム文化と地中海交易の歴史を物語る貴重な遺産です。迷路のような街並みを歩きながら、過去の繁栄と歴史の重みを感じることができるでしょう。今もなお、アルジェリアの歴史と文化の証人としてその姿を保ち続けています。

コメント