中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区(第2段階)(旧名『中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区(第1段階)』

中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区
rheins, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国
登録区分自然遺産
世界遺産登録年2019年/2024年範囲変更
登録基準(ⅹ)
その他の区分
公式テキストページ中巻233p
英文タイトルMigratory Bird Sanctuaries along the Coast of Yellow Sea-Bohai Gulf of China (Phase II)

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区(第2段階)(旧名『中国の黄海・渤海湾沿岸の渡り鳥保護区(第1段階)』とは

国際的に重要な冬場における渡り鳥の滞在地

「黄海-渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第II段階)」は、中国東部の海岸線に広がる干潟と湿地の生態系を対象とした世界自然遺産で、2019年にユネスコの世界遺産に登録されました。この保護区は、東アジア・オーストラリア渡り鳥飛行経路(EAAF)の中でも特に重要な中継地であり、長距離を移動する多数の渡り鳥にとって不可欠な休息・採餌の場を提供しています。

登録対象となっているのは、山東省と遼寧省の沿岸部を中心とする複数の湿地・干潟で構成される地域で、特に黄海と渤海の潮間帯に位置する広大な干潟がその核心を成しています。これらの干潟は、潮の干満により日々姿を変える動的な自然環境であり、多種多様な生物の生息地として高い生態的価値を持っています。

この地域は、渡り鳥にとって不可欠な場所であり、世界的にも重要な鳥類種が数多く確認されています。特に注目されているのは、クロツラヘラサギ、ヘラシギ、アオアシシギといった絶滅の危機に瀕した種の存在です。これらの鳥たちは、ユーラシア大陸の北方から南半球へと長距離を移動する際、この保護区で体力を回復し、再び飛び立つための栄養を摂取しています。そのため、本保護区は国際的な鳥類保護ネットワークの中でも戦略的に極めて重要な位置を占めています。

さらに、この地域は渡り鳥以外にも、多様な無脊椎動物、魚類、植物群など、干潟独特の生態系が広がっています。干潟に生息するゴカイやカニ、貝類などは、渡り鳥の主要な餌資源として機能しており、干潟の健全性が鳥類の保全に直結しています。また、湿地には塩性植物が繁茂しており、潮間帯の土壌安定化や水質の浄化といった役割も担っています。

この保護区の管理は、中国政府および地方自治体によって計画的に行われており、生態系の保護と持続可能な地域開発の両立を図る取り組みが進められています。湿地保護のための規制や科学的調査、また地域住民への教育啓発活動などが展開されており、保全活動の質は年々向上しています。

また、観光資源としての価値も注目されており、バードウォッチングを目的とするエコツーリズムの推進も進められています。これにより、地域経済の活性化と自然保護の両立が期待されています。

「黄海-渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群(第II段階)」は、生態系の保全、生物多様性の維持、さらには地球規模の環境保護において大きな意義を持つ世界遺産です。その保護と活用は、国際的な連携のもとで今後も継続されるべき重要な課題といえるでしょう。

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世界遺産ハントの管理人。

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