| 国 | インドネシア共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1991年 |
| 登録基準 | (ⅰ)(ⅱ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻143p |
| 英文タイトル | Borobudur Temple Compounds |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ボロブドゥールの仏教寺院群とは
密林に埋もれていた世界最大規模の仏教遺跡
ボロブドゥールは、インドネシアのジャワ島中央部に位置する世界的に有名な仏教寺院で、世界遺産にも登録されています。この寺院は、8世紀にサイレンドラ王朝によって建てられ、現在でもその壮麗な姿を保っています。ボロブドゥールは、仏教徒にとって重要な聖地であり、またその建築や芸術においても非常に高い評価を受けています。
ボロブドゥールの最も特徴的な点は、その巨大な仏教寺院群です。寺院は、六層のプラットフォームと中央に位置する大きなストゥーパ(仏塔)で構成されています。全体的にピラミッド形の構造をしており、各層にはさまざまな仏教の教えを表現するための彫刻が施されています。これらの彫刻は、仏教の経典や仏陀の生涯を描いており、訪れる人々は歩きながら仏教の教えを学び取ることができます。
ボロブドゥールの彫刻群は、その芸術的な価値でも非常に高く評価されています。寺院の壁面には、2,672のレリーフがあり、仏陀の教えを物語形式で表現しています。また、1,460枚のパネルには、仏教の経典や仏陀の生涯、さらには当時のジャワ島の社会生活が詳細に描かれています。これらの彫刻は、仏教に対する深い理解を反映しており、寺院そのものが仏教の哲学や道徳を学ぶための一大教科書とも言えます。
寺院の中心には、直径約35メートル、高さが約10メートルの巨大なストゥーパがあります。このストゥーパは、仏教における「悟り」の象徴とされており、仏陀の教えを最も高いレベルで表現しています。ストゥーパの内部には、仏像が安置されており、これは仏教徒にとって非常に神聖な場所です。ストゥーパを囲むように、36の小さなストゥーパが並んでおり、これらのストゥーパには仏陀の像が安置されています。
ボロブドゥールは、その建築技術においても注目されています。寺院の設計は、仏教の教義に基づいており、仏陀の悟りを象徴する構造となっています。最下層は、仏教における「欲望の世界」を表現しており、上に行くにつれて、「執着の世界」、「瞑想の世界」を経て、最上層のストゥーパに至ることで、最終的な悟りの世界を象徴しています。この構造は、仏教徒が精神的な成長とともに、欲望を克服し、悟りに至るという仏教の教えを視覚的に表現したものです。
ボロブドゥールの寺院群は、歴史的にも非常に重要です。長い間放置されていたこともあり、19世紀初頭に再発見されるまで、その存在は忘れられていました。しかし、再発見された後、寺院の保存と修復が進められ、現在ではインドネシアの最も重要な観光地の一つとなっています。ボロブドゥールは、インドネシアの文化遺産としてだけでなく、世界の仏教遺産としても貴重な位置を占めています。
ボロブドゥールは、その壮麗な建築、精緻な彫刻、そして深い仏教的な意味合いから、多くの旅行者や宗教的な巡礼者にとって特別な場所となっています。訪れる人々は、単に歴史や建築を楽しむだけでなく、仏教の教えに触れ、精神的な成長を感じることができる貴重な体験をすることができます。また、ボロブドゥールは、その美しい景観とともに、特に日の出や日没の時間帯に訪れると、幻想的な雰囲気を楽しむことができ、訪れる人々に深い印象を与えています。

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