| 国 | トルコ共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2014年 |
| 登録基準 | (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻49p |
| 英文タイトル | Bursa and Cumalıkızık: the Birth of the Ottoman Empire |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ブルサとジュマルクズク:オスマン帝国発祥の地とは
アケメネス朝ペルシアの繁栄を象徴する都
「ブルサとジュマルクズク:オスマン帝国発祥の地」は、トルコ北西部に位置するブルサ市とその近郊のジュマルクズク村を対象とする文化遺産であり、2014年にユネスコ世界遺産に登録されました。この遺産は、14世紀から始まるオスマン帝国初期の都市形成と建築様式、社会構造、経済活動のあり方を現在に伝える貴重な歴史的証拠として高く評価されています。特に、オスマン朝が首都をイスタンブールに移す以前の統治拠点であったブルサは、同王朝の制度や都市計画が最初に実験的に展開された場であり、その後の帝国各地の都市形成に影響を与えたモデルとなりました。
ブルサ市内には、初期オスマン建築の特徴を示す宗教施設や公共建築、都市構造が良好に保存されており、「フクカール(慈善施設)複合体」と呼ばれる社会福祉機能をもつ宗教施設群が顕著な特徴です。これらはモスク、神学校、病院、浴場、キャラバンサライなどで構成され、宗教的・社会的・経済的な機能を複合的に果たしていました。ウル・ジャーミイ(大モスク)、イェシル・ジャーミイ(緑のモスク)、ムラディエ・コンプレクスなどが代表例であり、建築美と機能性を兼ね備えたこれらの施設は、イスラーム都市の理想像を体現しています。
一方、ジュマルクズク村は、ブルサの郊外に位置する伝統的なオスマン時代の農村集落であり、石造りと木造を組み合わせた民家が現在も使用されている点で、都市ブルサとの相補的な関係を成しています。村はブルサに対して農産物や物資を供給する役割を担っており、都市と農村の機能的連携がこの地域の持続的発展を支えていたことがわかります。建物群はそのまま生活空間として継承され、自然素材を活かした伝統的な建築技術や生活様式が今も観察できます。
ブルサとジュマルクズクに共通するのは、オスマン帝国初期における「都市」と「村」の理想的な関係性を示す遺構であり、宗教、政治、経済、日常生活がどのように組み合わさって都市社会が構築されていたかを理解するうえで極めて重要です。これらの遺産群は、オスマン帝国の起源を物理的に、また象徴的に示すものであり、トルコにおける歴史的アイデンティティの形成にも深く関与しています。

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