| 国 | アメリカ合衆国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1982年/2016年範囲変更 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻348p |
| 英文タイトル | Cahokia Mounds State Historic Site |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
カホキア・マウンド州立史跡とは
謎に包まれたアメリカ最大の先住民集落跡
カホキア・マウンド州立史跡(Cahokia Mounds State Historic Site)は、アメリカ合衆国イリノイ州に位置する先史時代の大規模な集落跡であり、1982年にユネスコの世界遺産に登録されました。この遺跡は、紀元800年から1350年頃にかけて栄えたミシシッピ文化の中心地であり、北アメリカ大陸における最も発展した都市文明のひとつとされています。広大な敷地には100以上の土塁(マウンド)が築かれ、宗教的な儀式や政治活動が行われたと考えられています。
歴史と文化的背景
カホキアは、ミシシッピ川流域の先住民族によって築かれた大規模な都市であり、そのピーク時(11世紀から13世紀)には約10,000〜20,000人が居住していたと推定されています。この人口規模は、当時のヨーロッパの都市に匹敵するものであり、北アメリカで最も発展した集落のひとつでした。
カホキアの住民は、広域な交易ネットワークを持ち、五大湖地方からメキシコ湾岸までの地域と物資を交換していました。交易品にはトルコ石、銅、貝殻などが含まれ、これらの材料は宗教的儀式にも使用されていました。
主要な遺跡と土塁構造
カホキアには、大小さまざまな土塁が点在しており、それぞれ異なる目的で使用されていました。
- モンクス・マウンド(Monks Mound)
この遺跡の中心に位置する最大の土塁であり、高さ約30メートル、基底面積約6.5ヘクタールという巨大な構造を持っています。頂上には指導者の住居や宗教的な施設があったとされ、都市の政治・宗教の中心地として機能していました。 - ミシシッピ文化の広場
土塁の周囲には広場が設けられており、大規模な儀式や祭りが行われていたと考えられています。 - 木柵と天文学的配置
カホキアには木柵が巡らされ、一部の遺跡は太陽の運行に合わせて配置されていました。これは、ミシシッピ文化の人々が高度な天文学の知識を持っていたことを示唆しています。
社会構造と宗教的意義
カホキアの都市は、階層的な社会を形成していたと考えられます。指導者層はモンクス・マウンドに居住し、宗教儀式を主導していました。また、埋葬遺跡からは高度な儀式が行われていた証拠が発見されており、宗教的な活動が社会の中心を占めていたことが伺えます。
遺産の保存と現代の価値
カホキア・マウンド州立史跡は、北アメリカにおける都市文明の発展を示す極めて重要な考古遺跡として認識されており、考古学的研究が続けられています。しかし、都市開発や自然環境の変化による影響が懸念されており、遺跡の保存活動が進められています。
カホキア・マウンド州立史跡を訪れることで、ミシシッピ文化の高度な建築技術や社会構造を直接体験し、古代の人々がどのように都市を形成し、環境と調和しながら生活していたのかを学ぶことができます。この地域は、未来の世代へ向けて貴重な文化遺産として、その価値を伝え続けています。

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