| 国 | モーリタニア・イスラム共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1996年 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ)(ⅴ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻262p |
| 英文タイトル | Ancient Ksour of Ouadane, Chinguetti, Tichitt and Oualata |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
隊商都市ウワダン、シンゲッティ、ティシット、ウワラタとは
交易とイスラム教文化で栄えた4 つの隊商都市
ワダン、シンゲッティ、ティシット、ワラタの古代クスール(交易都市)は、モーリタニアに位置する歴史的な町であり、1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。これらの町は、西アフリカの交易網の重要な拠点として長い間繁栄し、今日ではイスラム文化や砂漠交易の歴史を伝える貴重な遺跡となっています。
これらの都市の起源は、中世にまでさかのぼります。特にシンゲッティは13世紀に建設され、西アフリカ内陸部と地中海沿岸を結ぶ交易ルートの中継地点として発展しました。ワダン、ティシット、ワラタも、塩、金、奴隷、布などの交易に関与し、隊商が集まる市場として重要な役割を果たしました。これらの町は、壮麗なイスラム建築を誇り、モスクや図書館、集合住宅が砂漠の中に点在しています。
特に注目すべき建造物は、シンゲッティの古いモスクです。砂岩で造られたミナレット(塔)は、この地域の象徴的な建築のひとつであり、今なお町の中心にそびえ立っています。また、町には何世紀にもわたって保管されてきた貴重な写本を収める図書館があり、学問の中心地としての役割を果たしてきました。これらの図書館には、イスラム哲学、天文学、数学など、さまざまな知識が記された書物が残されています。
ワダン、シンゲッティ、ティシット、ワラタの町並みは、土造りの家屋と狭い路地で構成されており、砂漠の環境に適した都市構造となっています。厚い壁で囲まれた建物は、極端な気温変化から住民を守る役割を果たしており、当時の生活の知恵が垣間見えます。また、赤みを帯びた砂岩が街並みに独特の美しさを与えており、訪れる人々に強い印象を残します。
しかし、近代化や砂漠化の進行により、これらの町の維持は困難になっています。住民の移動や建造物の老朽化が進み、遺産の保存が重要な課題となっています。そのため、ユネスコや地元自治体が協力しながら、歴史的建造物の修復や観光振興の取り組みを行っています。
これらの古代交易都市は、西アフリカの歴史を今に伝える貴重な遺産であり、壮麗なイスラム建築や隊商文化の名残を感じることができます。訪れることで、砂漠交易の繁栄と衰退、そして現代に続く文化的な影響を深く理解することができるでしょう。

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