チキトスのイエズス会ミッション

チキトスのイエズス会ミッション
バンセ, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ボリビア多民族国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1990年
登録基準(ⅳ)(ⅴ)
その他の区分
公式テキストページ中巻412p
英文タイトルJesuit Missions of the Chiquitos

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

チキトスのイエズス会ミッションとは

トマス・モアの理想郷に準じた6つのレドゥクシオン

チキトスのイエズス会ミッション(Jesuit Missions of the Chiquitos)は、ボリビア東部のサンタ・クルス県に位置する歴史的な伝道所群であり、1990年にユネスコの世界遺産に登録されました。この遺産は、17世紀から18世紀にかけてイエズス会によって築かれた伝道所であり、先住民族チキトスの人々と共に形成された独自の共同体の歴史を伝えています。

歴史的背景

イエズス会は、スペイン植民地時代に先住民族のキリスト教化を目的として伝道活動を行いました。彼らは、チキトス族を保護しながら、ヨーロッパの文化や技術を伝えるために、伝道所(レドゥクシオン)を設立しました。これらの共同体は、宗教、教育、農業、工芸を中心とした自給自足の社会を築き、先住民族の生活を安定させる役割を果たしました。

しかし、1767年にスペイン王カルロス3世がイエズス会を南米から追放したことで、伝道所の共同体は崩壊しました。その後、多くの施設は放棄されましたが、チキトスの伝道所群は比較的良好な状態で残され、現在も地域社会の文化的中心として機能しています。

主要な遺跡と特徴

  • サン・フランシスコ・ハビエル(San Francisco Javier)
    1691年に設立された伝道所であり、バロック様式の教会が特徴的です。
  • コンセプシオン(Concepción)
    1709年に設立され、現在も宗教的な活動が行われる伝道所。
  • サンタ・アナ(Santa Ana)
    1755年に設立され、木造建築の美しい教会が残る。
  • サン・ミゲル(San Miguel)
    1721年に設立され、先住民族の工芸技術が反映された装飾が特徴。
  • サン・ラファエル(San Rafael)
    1695年に設立され、バロック様式の建築が見事に保存されている。
  • サン・ホセ(San José)
    1765年に設立され、最後に建設された伝道所であり、壮麗な教会が残る。

文化的価値と遺産保護

チキトスのイエズス会伝道所群は、先住民族とヨーロッパ文化の融合を示す貴重な遺産です。伝道所では、チキトス族がヨーロッパの建築技術や農業技術を学びながら、独自の共同体を形成しました。これらの遺跡は、植民地時代の宗教的・社会的な実験の証拠として、歴史的に重要な意味を持っています。

ユネスコの世界遺産登録後、ボリビア政府や地域コミュニティによる保護活動が進められています。遺跡の修復や観光資源としての活用が進められ、訪れる人々にその歴史を伝えています。

現代における意義

チキトスのイエズス会ミッションは、宗教と社会の関係、先住民族の保護と文化交流の歴史を学ぶ場として重要な役割を果たしています。イエズス会の活動は、単なる宗教的布教にとどまらず、先住民族の生活を守る試みでもありました。この遺産を通じて、過去の歴史を振り返りながら、文化の多様性と共存の重要性を考えることができます。

この遺跡を訪れることで、南米の植民地時代の歴史と先住民族の文化を学びながら、壮大な自然と歴史的な景観を楽しむことができます。未来の世代へ向けて、その価値を伝え続けるべき文化遺産として、今後も保護と活用が進められていくでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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