ディルムンの墳墓群

ディルムンの墳墓群
バーレーン王国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2019年
登録基準(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻123p
英文タイトルDilmun Burial Mounds

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ディルムンの墳墓群とは

貿易で栄えたバーレーンの世界的に稀有な墳墓群

ディルムンの墳墓群は、バーレーン王国に位置する広大な古代墓域であり、紀元前3千年紀から2千年紀にかけて築かれた数万基に及ぶ墳墓が密集しています。この地域は、古代メソポタミア文明において「ディルムン」と呼ばれた交易と宗教の重要な拠点として知られており、死後の世界と結びつく神聖な土地と考えられていました。これらの墳墓群は、2019年にユネスコの世界遺産に登録され、世界最古級の連続した埋葬文化の証拠として高く評価されています。

ディルムンの墳墓群は主にバーレーン北部の平野に広がり、アイアリ、シャフラワ、ハッジ、バリア、マルカなどの地域にまたがって存在しています。これらの墳墓の特徴は、その数の多さと構造の多様性にあります。標準的な墳墓は小型の円形土塁で、直径が4~10メートルほどあり、中心には石で築かれた墓室が置かれています。これらの構造は単純ながらも堅牢であり、当時の建築技術と埋葬儀礼をよく反映しています。

特に注目されるのは、「王族墳墓」と呼ばれる大規模な墳墓で、複数の部屋を持ち、豊富な副葬品が出土している点です。これらは社会的階層や権力構造の存在を示す重要な手がかりとなっており、バーレーンが古代において高度な社会組織を有していたことを物語っています。また、副葬品には陶器、銅製品、宝石、貝殻などが含まれており、ディルムンが周辺地域との広範な交易関係を有していたことがうかがえます。

考古学的調査によって、これらの墳墓が長期間にわたり継続して使用されていたことも判明しています。新たな墓が既存の墓の近くに追加される形で築かれており、特定の地域が長年にわたって祖先崇拝や宗教的儀式の場であったことを示しています。これは、共同体における記憶や信仰が時間を超えて継承されていた証拠ともいえます。

ディルムンの墳墓群はまた、単なる埋葬の場を超えて、古代人の宇宙観、死生観、社会構造を読み解く重要な文化的遺産です。ディルムンはメソポタミアの文献において神話的楽園としても登場し、この地が生と死、神と人間の交わる場として意識されていたことをうかがわせます。これにより、墓域そのものが宗教的・象徴的な意味合いを持ち、人々の精神的支柱となっていたと考えられます。

現在、これらの墳墓は厳重に保護されており、バーレーンの文化遺産として国内外の研究者や訪問者の注目を集めています。広大な墓域に静かに佇む石の塚群は、数千年の時を超えて古代ディルムン文明の繁栄と人々の営みを今に伝え、歴史の重みと神秘性を感じさせる貴重な世界遺産となっています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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