ディヤルバクル要塞とヘヴセル庭園群の文化的景観

ディヤルバクル要塞とヘヴセル庭園群の文化的景観
ゴマダ, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
トルコ共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2015年
登録基準(ⅳ)
その他の区分文化的景観
公式テキストページ中巻193p
英文タイトルDiyarbakır Fortress and Hevsel Gardens Cultural Landscape

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ディヤルバクル要塞とヘヴセル庭園群の文化的景観とは

チグリス川上流のヘレニズムから現在に至る景観

ディヤルバクル要塞とヘヴセル庭園群の文化的景観は、トルコ南東部に位置し、ユーフラテス川の支流であるティグリス川に沿って広がる、長い歴史を有する都市とその周辺の農耕地を含む文化遺産です。2015年にユネスコの世界遺産に登録され、古代から現代に至るまでの多様な文明の痕跡を今に伝えています。

ディヤルバクル要塞は、全長約5.8キロメートルに及ぶ城壁と、市内を取り囲む4つの城門、82の塔から構成され、その起源はローマ時代にさかのぼります。特に5世紀に東ローマ帝国によって現在の形に整備されたとされ、以後、ビザンツ、イスラム、セルジューク、オスマンといった複数の王朝によって修復・拡張されてきました。この要塞は、戦略的に重要な位置にあったため、軍事防衛施設としてのみならず、都市計画や行政の中心としても機能してきた点が特徴です。黒い玄武岩で築かれた堅牢な構造と、塔や門に施された装飾や碑文は、歴史的価値の高さを示しています。

一方、ヘヴセル庭園群は、ディヤルバクルの都市とティグリス川をつなぐ緑豊かな斜面に広がる農耕地帯であり、古代より都市の住民に食料や水を供給する役割を担ってきました。この地域では、地下水路や灌漑技術を活用した持続可能な農業が長年にわたって行われ、果樹園や畑が都市の発展と密接に結びついています。また、庭園群は単なる食糧供給地にとどまらず、都市と自然の接点として、景観の美しさや生態系の豊かさも高く評価されています。

このように、ディヤルバクル要塞とヘヴセル庭園群は、人類が自然環境を巧みに活用し、複数の文化が交差する中で形成された長期的かつ重層的な文化的景観を物語っています。防衛・行政・農業という異なる機能が一体となり、都市と自然が調和した空間を構築している点が、世界的にも特筆すべき価値を持つと認められています。現在も地元住民の生活と密接に関わりながら、その文化的意義を後世に伝え続けています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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