| 国 | モロッコ王国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2001年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻276p |
| 英文タイトル | Medina of Essaouira (formerly Mogador) |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
エッサウィーラ(旧名モガドール)の旧市街とは
モロッコ最古のイスラム都市
エッサウィーラの旧市街
エッサウィーラの旧市街は、モロッコの大西洋沿岸に位置する歴史的な港町であり、18世紀に整備された計画都市として知られています。風と海が織りなす独特の景観を持つこの都市は、ヨーロッパ、アフリカ、アラブの文化が融合した建築と都市構造を備え、2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。
都市の歴史と発展
エッサウィーラは、古代より交易の拠点として栄えていましたが、現在の都市構造が確立されたのは18世紀のことです。モロッコのアラウィー朝のスルタン、ムーレイ・アブダラーによって設計され、フランス人技術者テオドール・コルネにより都市の防衛構造が構築されました。この計画的な都市設計により、エッサウィーラは戦略的に重要な港町として発展し、大西洋交易の拠点となりました。
特に、ヨーロッパ、アラブ、アフリカの建築技術を融合させた都市デザインはユニークであり、旧市街を囲む頑強な城壁と、それを貫く広い通りが特徴です。中世のモロッコの都市に見られる迷路のような路地とは異なり、エッサウィーラでは規則的な街路が整備され、機能的な都市空間が形成されました。
主要な建築物と都市構造
エッサウィーラの旧市街には、歴史的に重要な建築物が多数残されており、特に以下の施設がこの都市の文化的価値を高めています。
- スカラ要塞(Scala de la Kasbah)
砲台を備えた海沿いの要塞で、港の防衛に重要な役割を果たしていました。ヨーロッパ式の建築技術が用いられ、大砲が並ぶ景観が今も残されています。 - 港と漁市場
エッサウィーラの港は歴史的に漁業と交易の中心であり、現在も地元の漁師による活気ある市場が広がっています。新鮮な魚介類を扱うこの市場は、都市の経済と文化を支える重要な場所です。 - 伝統的な職人街
旧市街の中には、木彫り細工や銀細工など、モロッコの伝統工芸を扱う工房が点在しています。特に、エッサウィーラ名物のツゲの木を使用した工芸品は、モロッコ国内外で高く評価されています。
旧市街の保存と現代の価値
エッサウィーラの旧市街は、18世紀の計画都市としての特徴を今も保持しており、観光地としても人気があります。しかし、ユネスコの世界遺産登録を受け、歴史的建造物や都市景観の保存が進められています。文化遺産の保護活動に加え、地域コミュニティとの協力による持続可能な開発も推進されており、伝統を守りながら現代社会に適応する都市へと変化を遂げています。
エッサウィーラの旧市街を訪れることで、モロッコの歴史と文化の多様性を体感することができるでしょう。海風が心地よく吹き抜ける港町の景観と、伝統と現代が交錯する都市の活気が、この遺産の魅力をさらに際立たせています。今もなお、世界中の人々を惹きつけるこの都市は、モロッコの歴史と文化の証人として、その価値を伝え続けています。

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