伽耶古墳群

伽耶古墳群
大韓民国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2023年
登録基準(ⅲ)
その他の区分
公式テキストページ中巻121p
英文タイトルGaya Tumuli

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

伽耶古墳群とは

朝鮮半島に存在した古代国家群の証

伽耶古墳群(かやこふんぐん)は、韓国南部に位置する古代国家・伽耶(加耶)に属した支配層の墓域であり、古墳時代中期から後期にかけて築造された墳墓が集中する遺跡群です。2023年にユネスコの世界遺産に登録されました。伽耶は、紀元前1世紀から6世紀にかけて朝鮮半島南部に存在した連合国家群で、特に鉄の産出とその交易によって発展したことで知られています。伽耶古墳群は、そうした歴史的背景を物語る貴重な証拠であり、古代東アジアの文化交流の様相を今に伝えています。

この古墳群は、韓国の慶尚南道や慶尚北道などに点在する7つの構成資産から成り立っています。代表的な遺跡としては、金海の大成洞古墳群、咸安の末伊山古墳群、高霊の池山洞古墳群、陜川の玉田古墳群、居昌の松鶴洞古墳群、固城の松林洞古墳群、南原の刀岩洞古墳群が挙げられます。それぞれの古墳群は、地域ごとの政治的中心や文化的特色を反映しており、伽耶が一つの統一王朝ではなく、複数の小国家が緩やかに連合していたことを示しています。

伽耶の古墳は、主に円墳や方墳の形態を取り、石室や木棺墓を中心に構成されています。特に注目されるのは、副葬品の豊富さです。墓からは鉄製の武器や農具、装飾品、陶磁器などが数多く出土しており、当時の生活様式や伽耶が誇った鉄の加工技術の高さを示しています。また、中国や日本など周辺地域との交流を示す遺物も多数発見されており、伽耶が国際的な交易ネットワークの一端を担っていたことが明らかになっています。

さらに、いくつかの古墳では殉葬の痕跡も見つかっており、支配層の葬送儀礼や社会構造についての研究が進められています。殉葬されたとみられる人々の遺骨や配置は、当時の王や豪族の権力が強大であったことを物語っています。

伽耶古墳群の意義は、その考古学的価値にとどまらず、三国時代以前の朝鮮半島南部に存在した多様な文化や社会制度を理解する上での重要な資料である点にあります。高句麗、新羅、百済という三国に先立ち、あるいは並行して存在した伽耶の存在は、朝鮮半島の古代史を立体的に捉えるうえで欠かせません。

このように、伽耶古墳群は、古代東アジアにおける文化的・経済的ネットワークの中で果たした伽耶の役割を象徴する遺産であり、またその独自性と多様性を現代に伝える重要な歴史的証拠でもあります。世界遺産としての登録は、こうした価値が国際的に認められた結果であり、今後も学術的・文化的に大切に保護・継承されていくことが求められます。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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