ガダーミスの旧市街

ガダーミスの旧市街
アルホトマネ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
リビア
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1986年/2016年危機遺産登録/2023年範囲変更
登録基準(ⅴ)
その他の区分危機遺産
公式テキストページ中巻266p
英文タイトルOld Town of Ghadamès

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ガダーミスの旧市街とは

マグリブ美術の内装が美しい日干しレンガ家屋の街並み

ガダーミス旧市街は、リビア西部に位置する歴史的なオアシス都市であり、サハラ砂漠の交易の要所として長い歴史を持つ町です。その独特な建築様式と都市構造は、乾燥した砂漠環境に適応した工夫に満ちており、1986年にユネスコ世界遺産に登録されました。ガダーミスは「砂漠の真珠」とも称され、イスラム文化とベルベル建築の融合を示す貴重な遺産です。

ガダーミスの歴史は古く、紀元前から人々が定住していたと考えられています。特にローマ時代には、交易の重要な拠点として栄え、北アフリカとサハラ以南を結ぶ商業ネットワークの中継地となりました。町は、隊商を迎え入れる場として発展し、塩、金、香辛料、布などの交易が盛んに行われました。イスラム教の普及とともに、宗教的な中心地としても機能し、モスクや学問の場が設立されました。

ガダーミス旧市街の最大の特徴は、その独特な都市構造と建築様式です。町は白い泥レンガ造りの住宅が密集しており、建物同士が接続されることで、厳しい砂漠の気候から住民を守る工夫が施されています。通りは狭く、建物の上部に通路が設けられているため、歩行者は強い日差しを避けながら移動することができます。内部の家屋は、涼しい居住空間を確保するために巧妙に設計されており、鮮やかな装飾と木彫りの扉が特徴的です。

また、町の中心にはモスクや公共広場があり、住民の集いの場として機能しています。特に、家屋の内部には伝統的な装飾が施され、ベルベル文化の影響を強く受けた幾何学模様や鮮やかな色彩が見られます。さらに、住居は性別によって役割が分けられており、男性は地上部分で商業活動を行い、女性は建物の上部にある通路を使って移動する文化が根付いていました。

しかし、近代化や社会的変化により、ガダーミス旧市街の伝統的な生活様式は変化しつつあります。住民の多くは新市街へ移動し、旧市街の維持が課題となっています。そのため、ユネスコや地元自治体が協力して、建築物の修復や文化遺産の保存活動を進めています。

ガダーミス旧市街は、サハラ交易とベルベル文化の歴史を今に伝える貴重な遺産であり、その独特な建築様式と都市構造は、砂漠都市の発展を理解するうえで重要な要素となっています。この町を訪れることで、古くから続く交易文化と、砂漠に適応した建築技術の奥深さを実感することができるでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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