グアダラハラの救貧施設

グアダラハラの救貧施設
メキシコ合衆国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1997年
登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻417p
英文タイトルHospicio Cabañas, Guadalajara

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

グアダラハラの救貧施設とは

オロスコの壁画で覆われた市民のための救済施設

グアダラハラの救貧施設(オスピシオ・カバーニャス)は、メキシコのハリスコ州グアダラハラに位置する歴史的な建築物であり、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。この施設は、19世紀初頭に慈善施設として建設され、孤児や高齢者、障がい者の保護を目的とした社会福祉施設として機能しました。

歴史的背景

オスピシオ・カバーニャスは、1796年にグアダラハラの司教に任命されたフアン・ルイス・デ・カバーニャスによって設立が計画されました。彼は、孤児や貧困層の人々を支援するための施設を建設することを決意し、メキシコの著名な建築家マヌエル・トルサに設計を依頼しました。

建設は1805年に開始され、施設は病院、孤児院、老人ホーム、救貧院の機能を兼ね備えた複合施設として設計されました。建物は広大な中庭を持つシンプルな構造であり、開放的な空間と建築の調和が特徴です。

19世紀半ばには、一時的に軍の兵舎として使用されましたが、20世紀に入ると再び福祉施設としての役割を果たしました。1980年にはカバーニャス文化学院が設立され、現在では美術館としても機能しています。

建築と芸術的特徴

オスピシオ・カバーニャスは、クラシックなヨーロッパ建築の影響を受けたシンプルで調和の取れたデザインが特徴です。

  • 建物の構造
    施設は164メートル×145メートルの長方形の敷地に建てられ、単層構造の建物が並んでいます。中央には高さ32.5メートルのドームを持つ礼拝堂があり、施設全体の象徴となっています。
  • ホセ・クレメンテ・オロスコの壁画
    20世紀初頭、メキシコの著名な壁画家ホセ・クレメンテ・オロスコによって、礼拝堂の内部に壮麗な壁画が描かれました。特に「炎の男」と呼ばれる壁画は、メキシコ壁画運動の傑作とされ、力強い表現が特徴です。

文化的価値と遺産保護

オスピシオ・カバーニャスは、メキシコの社会福祉の歴史と建築の発展を象徴する遺産です。慈善施設としての役割を果たしながら、芸術的にも高い評価を受けています。

ユネスコの世界遺産登録後、メキシコ政府や地域コミュニティによる保護活動が進められています。建築の修復や維持管理が行われ、現在では文化施設として活用されています。

現代における意義

グアダラハラの救貧施設は、社会福祉と芸術の融合、建築の発展を学ぶ場として重要な役割を果たしています。慈善施設としての歴史を持ちながら、芸術の中心地としても機能しており、メキシコの文化的アイデンティティの形成に貢献しています。

この遺産を訪れることで、メキシコの社会福祉史と芸術文化を学びながら、壮大な建築と歴史的な景観を楽しむことができます。未来の世代へ向けて、その価値を伝え続けるべき文化遺産として、今後も保護と活用が進められていくでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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