| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2011年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅲ)(ⅵ) |
| その他の区分 | 文化的景観 |
| 公式テキストページ | 中巻192p |
| 英文タイトル | West Lake Cultural Landscape of Hangzhou |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
杭州にある西湖の文化的景観とは
文人墨客に愛された絵画のような眺望
西湖の文化的景観は、中国浙江省杭州市の西部に位置する西湖とその周辺に広がる歴史的・文化的要素から成り立ち、2011年にユネスコの世界遺産に登録されました。この景観は、自然の美しさと人間の手による設計美が見事に融合したものであり、詩や絵画、園林建築において理想的な景観として長きにわたり称えられてきました。西湖は単なる湖としての自然景観ではなく、中国における美的理想や哲学的観念を体現する文化空間としての価値を有しています。
西湖の周囲には、堤、防波堤、橋、楼閣、仏教寺院、道教の霊地、庭園などが配されており、それらの配置や設計には中国古来の「山水思想」や風水の理念が反映されています。特に有名な「蘇堤」や「白堤」は、湖面に浮かぶように造られ、季節ごとに美しい風景を見せることで知られています。また、「三潭印月」「断橋残雪」など、西湖十景と呼ばれる景観は、中国の詩文や絵画、音楽の主題として幾度となく描かれ、文化的影響を広く及ぼしてきました。
西湖の景観は、北宋時代に蘇東坡などの文人や政治家によって整備され、さらに南宋時代の首都臨安(現在の杭州)としての発展とともに、文化と政治の中心地として重要な役割を果たしました。園林建築の発展にも寄与し、その様式は後世の中国各地の庭園や東アジアの景観設計にも大きな影響を与えています。
また、西湖周辺には仏教文化の名残を伝える霊隠寺や雷峰塔といった歴史的建造物もあり、宗教的・精神的な意味でも重要な場所とされています。これらの要素が、自然と人間の営為が一体となった独特の文化的景観を形作っており、中国における「自然美と人文美の融合」の象徴とされています。
西湖の文化的景観は、中国のみならず世界に対して、美的・哲学的価値を持つ人間と自然の調和の理想を提示するものであり、その保存と継承は今日においても高い意義を持っています。

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