ジャームのミナレットと考古遺跡群

ジャームのミナレットと考古遺跡群
アフマド・エルハン, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
アフガニスタン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2002年/2002年危機遺産登録
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分危機遺産
公式テキストページ中巻150p
英文タイトルMinaret and Archaeological Remains of Jam

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ジャームのミナレットと考古遺跡群とは

アフガニスタン建築と芸術の最高

アフガニスタン西部、険しい山岳地帯に位置する「ジャームのミナレットと考古遺跡群」は、12世紀に築かれた壮麗なミナレット(尖塔)と、その周囲に広がる未発掘の古代都市遺跡から成る、極めて重要なイスラーム建築および考古学的遺産です。この地はかつて、ゴール朝と呼ばれるイスラーム王朝の中枢にあたり、特に12世紀後半に絶頂期を迎えました。現存するミナレットは、その時代の文化的栄光を今に伝える象徴的な建築物となっています。

ミナレットは、高さ約65メートルにおよぶ見事な煉瓦造りの塔で、現存するイスラーム世界最古級かつ最も保存状態の良いものの一つとされています。塔の表面には、繊細な幾何学文様や、アラビア文字によるクルアーンの章句が精緻に施されており、その装飾美は中世イスラーム建築の粋を極めたものといえるでしょう。ミナレットが建てられた正確な意図は明らかではありませんが、宗教的なシンボルであるとともに、ゴール朝の権威と芸術的洗練を示す記念碑的存在であったと考えられています。

また、ジャームの周囲には広範囲にわたって未発掘の都市遺跡が存在しており、宮殿、要塞、墓地、水路網などの痕跡が残されています。これらは、ゴール朝が当時の交易・文化・宗教の中心地として繁栄していたことを物語っています。特に、この地が東西交易路の交差点に位置していたことから、多様な文化が交流し融合した都市空間であったことがうかがえます。

このミナレットと考古遺跡群は、1999年にユネスコ世界遺産に登録されました。同時に、保存状態や周辺環境の脆弱さから「危機にさらされている世界遺産リスト」にも記載されています。周辺地域の地震や洪水、略奪行為などによって遺跡の損壊が懸念されており、緊急かつ継続的な保護活動が求められています。

ジャームのミナレットとその遺跡群は、アフガニスタンにおける中世イスラーム文化の最高峰を体現すると同時に、人類共通の歴史遺産としての価値をも有する貴重な文化財です。その孤高の美しさと歴史的深みは、世界中の人々に多くの示唆と感動を与え続けています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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