| 国 | ジンバブエ共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1986年 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻252p |
| 英文タイトル | Khami Ruins National Monument |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
カミ遺跡とは
大ジンバブエを受け継いだ都市遺跡
カミ遺跡国立記念物は、ジンバブエ南西部に位置する歴史的遺跡で、15世紀から17世紀にかけて栄えたトルワ王国の都の跡です。2003年にユネスコの世界文化遺産に登録され、グレート・ジンバブエに続くジンバブエ文明の発展を示す貴重な遺跡として評価されています。カミは、グレート・ジンバブエの崩壊後に勢力を拡大したトルワ王朝によって築かれ、政治・経済・宗教の中心地として重要な役割を果たしていました。
この遺跡の最大の特徴は、乾式積みの石垣で構築された複雑な構造物です。高台には支配階級の住居があり、そこから見下ろすように谷間に一般市民の住居が点在していました。石積みの技術はグレート・ジンバブエの伝統を受け継ぎながらも、より洗練された様式が見られ、壁面には幾何学模様の装飾が施されています。これにより、トルワ王国が独自の文化的表現を発展させていたことがわかります。
また、カミでは遺物の出土も豊富で、中国の青磁、スペインの陶器、ポルトガルのガラス製品など、遠方との交易の証拠となる品々が見つかっています。これは、当時のカミがインド洋交易圏の一部として国際的な商業活動に関与していたことを示しており、内陸にありながら外部とのつながりをもって繁栄していたことを物語っています。
宗教的な側面でも、カミは重要な役割を担っていました。丘の上に建てられた構造物は、祖霊崇拝や儀式の場とされ、王の権威を象徴する場所でもありました。このように、建築、都市計画、宗教、交易など、複合的な文化要素がひとつの遺跡に凝縮されている点が、カーミの持つ世界遺産としての価値を高めています。
現在、カミ遺跡はジンバブエの文化的アイデンティティの一部として保護・保存されており、考古学的研究が続けられると同時に、教育資源や観光資源としても活用されています。遺跡を訪れることで、訪問者はかつてこの地に存在した高度な都市文明と、アフリカ南部の歴史の奥深さに触れることができます。カミは、アフリカの伝統と創造力、そして持続的な社会構造を伝える、貴重な文化遺産なのです。

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